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 米澤穂信 の記事一覧
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『インシテミル』 米澤穂信 文藝春秋 
2007.10.24.Wed / 23:39 
インシテミルインシテミル
(2007/08)
米澤 穂信

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  ★★★★★

 いやあ、久しぶりに本格が面白いと思える作品に出会えた。しかもバリバリの本格ミステリだ。

 これは素晴らしい。

 時給11万2千円という、誤植かと思える実験モニターの求人募集に釣られて12名の男女が集まってきた。しかし破格のアルバイト料には、やはり胡散臭い事情が秘められていた。円形の建物の地下で、特定のルールに従い、7日間にわたって24時間モニタリング、つまり〈観察〉されるという〈実験〉だった。しかも驚くべきことに、これは殺人ゲームを促すような仕組みになっていたのだ。時給も破格だったが、殺人を行っても犯人を指摘しても報酬は跳ね上がるようになっていた。12名の眠れない夜が始まった。

 まず、クローズドサークルにおける推理ゲームに徹した潔さが良い。ストーリー展開がいかにも本格ミステリ的であり、さくさく進んでいくさまは読んでいて気持ちが良い。ロジックが見事だったのにも驚いたが、それにも増して文章が上手いのには吃驚した。キャラが立っており、するすると読めるのは有難かった。それでなくとも12名もの人物が登場するのだ。自然と頭に入ってくれて無理なく覚えられるほど嬉しいことはない。これは最後の謎解きに向かってストレスなく読めるという高ポイントである。

 ダークな青春小説ではなかったが、本格ミステリも素晴らしかった。ということで米澤穂信はこれからも追っていきたい。

 と、絶賛しておいてなんですが、実は読み始めて関田涙氏の『晩餐は「檻」のなかで』と似た設定に吃驚してガッカリしたのも本当である。しかも物語の面白さは関田氏のほうがずっと上である。キャラの説明も曖昧なままだった者もいたし。ただ、ゲーム型のミステリとして的を絞ったロジックの美しさには心底陶酔してしまった。

 ということで、新本格ファンの方にお薦め。
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『ボトルネック』 米澤穂信 新潮社 
2006.09.23.Sat / 22:19 
ボトルネックボトルネック
(2006/08/30)
米澤 穂信

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  ★★★★★

 いいなあ。この痛々しさ。それを否定するような軽い文体、雰囲気。どこからどこまでもわたし好みの青春小説だった。
 
 とても上手な文章とは思えないが、これだけ捲る手を止めさせないというのは、やはり物語への吸引力がすごいからだろう。パラレルワールドの話である。
 
 「兄が死んだと聞いたとき、ぼくは恋したひとを弔っていた。」という一文で始まる。これにはガツンときた。まるでこの小説を暗示してるかのような不吉さである。これは良い。そして、この予感は当たるのである。恋人が落ちた崖下を覗き込んでいたとき、主人公リョウは強い眩暈に襲われ、平行世界へ。
 
 もし、自分がもう一つの可能世界へ移動したとしたら。自分が生まれなかった別の世界へ迷い込んでしまったら、と。想像しただけでも楽しそうである。だが、米澤穂信の世界はまるで違っていた。痛々しいまでに残酷なのである。
 
 そこにはリョウの代わりに姉であるサキがいた。リョウとサキは、お互いの世界を話し合うことで間違い探しをすることになる。だんだんとわかってくる世界の違い。それはリョウを打ちのめし、絶望をさそう。サキに謎賭けのようなセリフを多く言わせることで、読者は何がなにやらわからないうちに、リョウといっしょになって不安の深みに落ち込んでいく。だが読者は、そのミステリともファンタジーとも言えない、なんともいえない高揚感に取り込まれていくのである。そして、ラストである。これには叩きのめされた。ただ絶望だけが広がってゆくのである。なのに、リョウがメールを見てうっすらと笑ったように、わたしも同じようにニヤリとしてしまっていた。
 最後の一文。いいなあ、こういうの。素晴らしい。
『犬はどこだ』 米澤穂信 東京創元社 
2005.09.03.Sat / 23:47 
犬はどこだ (ミステリ・フロンティア)犬はどこだ (ミステリ・フロンティア)
(2005/07/21)
米澤 穂信

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  ★★★★

 いつも読みたいと思いながら、なんとなく手に取れなかった作家さんです。

 へえ~、という感じですね。

 いつもこんな感じなのですか。好みですね。いろいろと凝っていて面白かったです。とくにラストがダークで良かったです。

 「犬はどこだ」というのはどういう意味なのかと思っていたのですが、なるほど、このラストだからだったのですね。

 犬探し専門の調査事務所を開業した主人公・紺屋長一郎25歳。後輩で探偵に憧れている半田平吉、通称ハンペー23歳。この二人の視点で交互に語られますが、紺屋のとても25歳と思えない爺臭い落ち着きぶりとユーモアのセンスがこの作品を格調高くしています。ハンペーのほうも今時の軽い若者と思っていたら、意外と使える奴で好印象でした。

 事務所には早速二つの依頼が舞い込みます。一つは失踪した女性を探してほしいというもの。もう一つは古文書の解読。同時に依頼があったので、この二つがリンクしているというのは判るのですが、どんな風に繋がるのかとなかなか興味深かったです。

 古文書の解読のほうは、歴史に全く興味のない私は郷土史なんて言われても、ふ~ん、なにそれ、っていう感じだったのですが、もう一つの失踪人探しのほうは、紺屋の趣味のチャットでログ探しをやったりと一気に核心に近づいてきて楽しめましたね。

 そう言えば、ネットといえば掲示板がありますが、レスの仕方には成る程と思わずにはいられなかったです。この辺りは興味津々になっちゃいましたね。

 まあこんな風に楽しめましたし、本格ミステリ的にも満足できた作品でした。難を言えば、ラストをもう少し書き込んで欲しかったです。あまりにも綺麗に決まったせいで、サプライズがそれほどでもなかったのですね。もっともっとダークな感じでもよかったのではないかと思うのですが。

 面白かったです。
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