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 海野碧 の記事一覧
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『真夜中のフーガ』 海野碧 光文社 
2008.11.10.Mon / 23:45 
真夜中のフーガ真夜中のフーガ
(2008/10/22)
海野碧

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 女性が描くハードボイルドとして大いに気に入っていた「パッサカリア」であるが、どうやらこれで3部作が完結したようだ。ラストがいやに強引に、しかも取って付けたような爽やかな退場だと思っていたら、こういうことだったのか。もう大道寺勉には会えないのだろうか。寂しい。

 大道寺勉ことベンは、修理工場をやりながら、副業として、世間にごろごろしているトラブルを解決するべく、仲間3人で〈始末屋〉を生業にしている。バツイチのライターやカメラマンの卵と一緒に請け負っているのだが、その中で、だいたい厄介な揉め事を持ち込んでくるのが、ヤクザ上がりの金貸し、岡野だ。今回も、昔世話になったといって、暴力団埴輪組幹部、極星会会長であるオヤジに頼まれ、目の中に入れても可愛い娘絡みの頼みごとを引き受けてしまった。それならばと、調査のついでに、逗子のJ海岸で溺死したという、自分と同姓同名で同年齢の男の自宅なり遺体の発見場所なりを見てこようと思ったベンであったが、これがとんでもない事件のきっかけとなったのは知る由も無かった

 相変わらず、めくるめく文体から流れるように繰り出される言葉に酔いながら、娘たちを強請っているのは誰で、ベンと同姓同名の奴は誰なのか、あるいは、この二つは繋がりがあるのかと、気になる謎を追いかけつつ、その一方で、ベンを捨てた母との偶然の出会いに悄然となりながら、また、他の親子の愛憎相半ばする思いに戸惑いを覚えながら、フーガのような物語をたっぷりと堪能させてもらった。

 お薦め。
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『迷宮のファンダンゴ』 海野碧 光文社 
2007.11.02.Fri / 14:17 
迷宮のファンダンゴ迷宮のファンダンゴ
(2007/10/20)
海野 碧

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  ★★★★☆

 第10回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した「水上のパッサカリア」の続編である。眩暈にも似た心地よい酩酊感を味わいながら上質なハードボイルドですっかりファンになった海野碧の第二作である。相変わらず人間的側面はバッチリだが無駄に詳しい描写と長い一文にくらくらしながら、それでも存分に味わいながら最後まで楽しんで読んだ。

 一作目をついこの間読んだと思ったら文章も格段にレベルアップして、たったの半年であの大道寺勉が帰ってきた。あくまで一級整備士の自動車修理工のオヤジというスタンスは崩さないでだ。だが言動は、どこからどうみたって一級の探偵だし、優秀な軍人のそれである。

 23年前のアメリカ、過酷なサバイバルキャンプ時代に初めて愛を交わした女がテレビニュースの画面にいた。41歳である。しかし最初の性体験の相手は一生忘れないようにマリアン・ドレイパーを忘れることはなかった。18歳と19歳だったのだ。その彼女が来日中のハリウッドスターをボディガードしている最中に交通事故に巻き込まれて病院に担ぎ込まれた。見舞いに行き彼女と再会した勉だったが、数日後、一枚のDVDロムを預けたままマリアンは失踪してしまった。

 退屈な日常生活を愛している勉だった。だからスパイの真似事や銃なんて真っ平御免なのだ。だが平凡な日常は、一枚のロムによって自分の思惑とは反対の方へ進んでいった。何者かに襲われたり、正体不明のおっさんが出てきたりと、身辺が一気に慌しくなっていったのだ。愛すべき駄犬、ケイトも交えてマリアン失踪の謎に迫りながら、思いがけない結末に向かって徐々に加速していくのだった。

 届かなかった想いが切々と胸に迫ってくる。深い迷宮へ入り込んでしまった女と男はどうすればいいのだろう。その答えがここにある。

 ハードボイルドでありったけの酩酊感を味わいたい方へお薦めです。
『水上のパッサカリア』 海野碧 光文社 
2007.06.20.Wed / 18:10 
水上のパッサカリア水上のパッサカリア
(2007/03/20)
海野 碧

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  ★★★★★
 
 第十回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作品。
 
 ミステリー文学というのがどういうものか知らないが、少なくともこの作品はミステリではない。といって、エンターテイメントかといえば盛り上がりにも欠けているし違うだろう。アクションも平坦。ところがハードボイルドとしては絶品なのである。著者は1950年生まれ。新人とは思えない筆力に惚れた。
 
 かつて、よろずトラブル解決請負業といった〈始末屋〉グループがあった。表の顔と裏の顔をもった主人公の、特異な境遇がもたらす長い話である。ついつい時間を忘れて読み耽ってしまった。
 
 そうはいっても読み始めは、ねっとりと長い一文に悩まされた。著者独特の文体であり面白いといえば面白いのだが、読点によって果てしなく続いていく一文には眩暈がしそうだった。イラついて投げ出しそうになったのも一度や二度ではない。ところがこれが不思議なのである。読んでいくうちに麻薬のように癖になって、次第に快感まで覚えてゆくのである。これには驚いてしまった。
 
 物語としてはそれほど複雑ではない。一緒に暮らしてたった三年ほどで死んでいった内縁の妻に対する哀しみを抱えた男が、裏世界の大物に復讐を誓う話である。緻密な頭脳で練り上げた計画をもとに、女の弔い合戦に赴くのである。冒頭、愛する彼女と共に過ごした日々が事細かに描かれている。彼女の忘れ形見ともいうべき犬のケイトと、かつての仲間たちと一緒に、ひとつやってみようか、というものである。

 どんでん返しも鮮やかにハートフルな作品に仕上がっている。
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 薔薇の黒背景は画像が綺麗に見えるので私も好きでしたが、やはりエントリ別に見るときは使い勝手が良くないようです。CSSを弄れるといいのですが、このレベルになるとさすがに勉強しないと無理なのでやめました。ずいぶん粘ってみたんですけどね。なので元に戻しました。またそのうち黒背景にすると思います。2008/09/24
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 そうそう。コメントは「OPEN▼」でも読めます。いちいち戻らなくてもいいので便利かもしれません。

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