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 荻原浩 の記事一覧
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『ちょいな人々』 荻原浩 文藝春秋 
2008.11.19.Wed / 14:33 
ちょいな人々ちょいな人々
(2008/10)
荻原 浩

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 面白い。荻原浩、上手すぎる。

 どの短編も面白くて、「ガーデンウォーズ」なんて、気に入ってしまって3度読んだ。で、なんど読んでも、ぷぷぷ、と噴出してしまう。

 隣のじいさんと隣の四十路の嫁が、見えない塀越しに隣家の無花果(いちじく)が、とか、隣家の菊が、とか、隣家の餓鬼が、とか、隣家の猫が、とか、いちいちいちいち歯噛みし、おのれ、こうなったら目には目を、と。

 まるでこちらの心を読み取ったように展開してくれるので、そうそう、こういうことってよくあるよね、とウケながら、ちょい変わった隣人たちの行状を楽しませてもらった。愉快愉快。

 お薦め。


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-「粋な提案」http://1iki.blog19.fc2.com/blog-entry-614.html
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『さよなら、そしてこんにちは』 荻原浩 光文社 
2007.11.17.Sat / 23:51 
さよなら、そしてこんにちはさよなら、そしてこんにちは
(2007/10/20)
荻原 浩

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  ★★★★☆

 あ、この短編集は好き。今回は面白く読んだ。

 まったく期待していなかった荻原浩。この人のユーモア作品もシリアスな作品もことごとく肌に合わなくて好きじゃない。唯一絶賛したのが(感想は書いてないが)前作の短編集「千年樹」という、どんよりと暗い作品だけ。そんなアンチ荻原のわたしが非常に楽しんで読ませてもらった。
 
 「スローライフ」という作品もあって、すぐに奥田英朗の「家日和」を思い浮かべてしまったのだが、やはりちょっと変わった人達がたくさん登場してくるところからして本の作りも似ていた。奥田から毒の部分を取り去った感じになるのだろうか。笑いのなかに人生の悲哀が感じられてほろっとなってしまった。

 以下簡単なコメントを書いておきます。

 「さよなら、そしてこんにちは」 葬式の最中、笑い上戸の葬儀屋は困る。だからいつも別のことを考える主人公なのだが、今回は産まれてくる我が子のこと。笑い上戸のキャラがふざけ過ぎた感があって、あ、今回も好きじゃないな、と思っていたら病院に駆けつけた主人公が待っていたのが○○○だったという、素晴らしさ。

 「ビューティフルライフ」 ようし、やっぱり時代は農業だ。なんて、東京を離れて農園を経営しようとド田舎に引っ越していった一家。赤毛のアンに憧れていた主婦が遭遇したとんでもないアレやコレなんて、「もう、やだー」と思わせるもの。うんうん、わかるわかると思いながら笑ってしまった。オチにもほろっときたが、これが一番面白かった。

 「スーパーマンの憂鬱」
 スーパーマン? いったい誰のことを指しているのかと思ったら、いやはや。

 「美獣戦隊ナイトレンジャー」
 小1の長男と赤ん坊の世話で一日が終わってしまう専業主婦の楽しみは、ヒーロー番組に登場する俳優と浮気(妄想)すること。ま、人それぞれだと思うけど、専業主婦の大変さはやってみなくてはきっと誰にもわからないと思うよ。うん。

 「寿し辰のいちばん長い日」 美味しい寿司屋って、きっと色々と考えることがあるんだろうな。きっと、うん。
 
 「スローライフ」
 スローライフって? ちっともスローライフとも思えない料理研究家の行動が笑える。これも大好きな作品。

 「長福寺のメリークリスマス」
 うん、これは素敵な作品。とても暖かくて幸せな気持ちになって本を置けた。
さよなら、そしてこんにちは 光文社
『押入れのちよ』 荻原浩 新潮社 
2006.06.09.Fri / 00:14 
押入れのちよ押入れのちよ
(2006/05/19)
荻原 浩

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  ★★★★★

 荻原浩は肌に合わないので読むのを止めようかしらと思っていたら、素晴らしい短篇集を出してくれました。なんだ、こんなにいいものが書けるんじゃないの、だったら最初から書いてよね、とぷりぷりしながら同時に、溜息が出るくらいに美しい文章に浸らせてもらいました。

 最初の「お母さまのロシアのスープ」でめろめろです。しっとりした文章から、双子の女の子の可愛らしい姿が目に浮かびます。外国の景色がふわりと目の前に広がり、風の匂いや花の香りがしてきます。のどかな風景だなあと思っていたこれらがすべて伏線となって、あっと驚くオチが待っていました。その寂しさはなんとも言えません。

 次の「コール」と最後の「しんちゃんの自転車」はじんとくる話です。よくあるネタですが、とくに「コール」のミステリ的な味わいは微笑ましくもあり大好きです。何度も読み返してしまいました。

 表題作の「押入れのちよ」は、今までの荻原浩らしい笑えてほろりとする作品。物語としても良く出来ていてこれが一番安心して読める作品でしょうか。押入れに住んでいる、明治三十九年六月九日生まれのちよちゃんが、なんといっても可愛い。シリーズ化希望です。

 「老猫」のぞわぞわとした恐怖に、うひゃあ、となり気になって気になって読んだ先はなんとも気色の悪い話でした。同じように「介護の嫁」もホラー色の強い作品です。こちらも、悪臭が漂ってくるような、とんでもホラーですが、どちらも恐怖とコメディがいっしょになったような作品で面白いです。

 コメディといえば、「予期せぬ訪問者」です。バタバタと動き回っている主人公が追い詰められていくのですが、その様子が滑稽で、なのに主人公の恐怖心が伝わってきて楽しかったです。「殺意のレシピ」も笑えましたね。長年夫婦をやっていると、こんなふうに思うことも案外多いのでしょう。

 かくれんぼして行方不明になった妹を探す「木下闇」。それほどホラー色は強くなくて印象が薄い作品ですが、田舎の風景と相まっていい色合いを出していましたね。

 素晴らしい短篇集でした。

 お薦めです。
▽Open more.
『あの日にドライブ』 荻原浩 光文社 
2005.11.01.Tue / 00:08 
あの日にドライブあの日にドライブ
(2005/10/20)
荻原 浩

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  ★★★☆

 タクシードライバー物語です。

 タクシードライバーとくれば、夢想ですね。と言っても、夢見るような楽しい話ではありません。あの時こうしていれば、もっと違った人生があったかもしれないという「たら」「れば」の話です。

 主人公の牧村伸郎は43歳。都銀のエリートコースをつつがなく歩いていたのに、ぽろっと口から出たひと言で辞めることになってしまう。上司への不服従は致命的であったのに、魔が差したとしか思えない。こういう自分の思惑とは別の何かが働いて、人生が思いもしないほうへ行ってしまうってことはよくあるんじゃないでしょうか。人生の転換期ってやつですね。牧村も、仮の宿としてしか思ってないタクシードライバーをしながら、大学生のときの恋人のことや就職してわりとすぐに辞表を出そうと思ったときのこと、あるいは今の家庭のこと、そういう人生の選択をしないといけなかった時のことを思い起こしながら、夢の世界に入っていきます。

 現実逃避が下地にあるのか、いつもの軽妙洒脱なテンポのよい文章ながら、出だしからなんとも気が滅入りそうな話が続きます。でも大丈夫です。主人公の牧村もだんだんタクシードライバーにも慣れてきて、何事も運だけでは駄目なんだ、機知と努力がものをいうんだ、と悟ってハンドルを握る手も軽やかになっていきますから。

 牧村の周りの人たちの人生を垣間見ても面白いですね。途中から、牧村自身のこれからが気になってしまって捲る手が止まらなかったです。

 こういうサラリーマンの、ちょっと重苦しいんだけど、でもやっぱりユーモアがある小説は、気軽に読めて良いです。現実と夢想の部分がちょっと混乱しましたが。爽やかな終わり方が好感がもてますね。
▽Open more.
荻原浩『明日の記憶』について  
2005.04.07.Thu / 00:00 
明日の記憶明日の記憶
(2004/10/20)
荻原 浩

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  「本屋大賞メッタ斬り!」には、もうほんと面白くて笑っちゃいましたね。毎回鋭い切り口で楽しませてもらっています。お二人の漫才のような語り口には感心するばかりですし、今回は『明日の記憶』についてマジに解説されていましたので思わず心のなかで拍手をしてしまいました。

 大森氏が「この小説は、その症状の一部、「忘れる」って恐怖だけをとりだして、ほんとに物忘れ小説にしちゃってる。病気を都合良く道具に使ってる気がするんですよ。他のイヤな面はあんまり書いてなくて。」とおっしゃっています。

 まったくもって、同感です。

 ある作家とのメールの遣り取りで、その方は「物語のスタイルとして、アルツハイマーになった本人の一人称であるならば、あの終わり方がベストだろうと感じ、エンターテインメント小説としてよくまとまった小説」だから「いい小説」とおっしゃっていました。

 この「エンターテインメント小説」という部分がどうにも引っ掛かるのです。

 私は、この小説はある意味ホラー小説か、あるいはファンタジー小説ではないかと思っています。決して素直に笑ったり、泣いたり、喜んだりできる小説ではないと思います。

 アルツハイマーという病気は、ただ単に「物忘れ」がひどくなる病気ではないのです。それはまず考えられる一つの症状であって、そのうち徘徊、錯乱して暴力を振るなどの人格破壊が起こり、介護者はいつも危険をともなってくるので在宅でのケアは難しいとされている大変な病気なのです。

 読んでいて、主人公がどんどん「物忘れ」をしていく姿をみていると、本当に身につまされると思ってしまうのでした。ところが、この話を本当にアルツハイマーの家族を持っている人にしたら、そんな「身につまされる」なんて生易しいものではないのよ、と言われてしまいました。
物語の前半で、主人公の「物忘れ」が始まって仕事にも支障をきたし、だんだんと辛い立場に追い込まれてゆくのですが、それでも仕事を辞めない場面。この場面をもの凄くリアルに描写していました。仕事に失敗しても失敗しても、仕事を続けていく主人公です。読んでいて苦しくなるばかりで、ちっとも楽しくありませんでした。なんで早く辞めないのだろう、と思うばかりでした。

 一人称小説とはいえ、この場面をこれだけリアルに描くならば、「日記」の部分でお涙頂戴などで誤魔化すのではなく、徘徊し、涎をたれ、糞尿に塗れた部分も書いてほしかったと思ったわけです。小説として、これでは体裁がつかないというのであるならば、初めからもっと心温まるような綺麗な小説として扱ってほしかった、と思うのでした。

 ラストも感動的シーンで終わっていましたので特にそう思ったのかもしれません。

 というわけでこの小説は、私のなかでは非常にバランスの悪い小説となってしまったのです。ただ、そういうことをあれこれ考えさせられた小説でもありますので、いつまでも心の中に残っており、印象的な小説となったことも確かでした。

 でも、だからといって誰にでも薦められるかと訊かれても、躊躇してしまうのも確かです。まあ、この小説でアルツハイマーという病気がどんなものかわかると紹介はできますが。

 「いい小説」かもしれませんが、「好きな小説」ではありませんね。

 ただ何度も言いますが、『夜のピクニック』よりはずっといい小説だと思っています。
 かなり好き勝手に書き散らしていますので、不愉快に思われる方がいらっしゃったら申し訳ありません。
 では~。
▽Open more.
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 薔薇の黒背景は画像が綺麗に見えるので私も好きでしたが、やはりエントリ別に見るときは使い勝手が良くないようです。CSSを弄れるといいのですが、このレベルになるとさすがに勉強しないと無理なのでやめました。ずいぶん粘ってみたんですけどね。なので元に戻しました。またそのうち黒背景にすると思います。2008/09/24
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