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 垣根涼介 の記事一覧
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『借金取りの王子』 垣根涼介 新潮社 
2007.10.02.Tue / 22:23 
借金取りの王子借金取りの王子
(2007/09)
垣根 涼介

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  ★★★★

  『君たちに明日はない』(感想)の続編の連作短編集。

 前作がかなり好きで面白く読んだので今回も楽しみにしていた本書。で、今回も期待に違わず面白かった。やっぱり垣根さんはいいね。

 どれもほろりとする人情話風でよかったのだが、表題作が一等面白かった。いい話だ。

 リストラ請負会社の話なので、リストラする相手との面接の場面がどうしても多くなってどんよりした気分になるのだが、そこは主人公・村上真介のキャラの明るさと思いやりでずいぶん救われた。読んでいて気持ちが良い。とくに表題作の「借金取りの王子」には泣かされた。これにはずしんときた。

 他の話も良かったのだが、読んでいて似たような場面がでてくるのがちょっと辛かった。例えばリストラの面接場面だが、この描写はもちろん大切だと思うが、毎回毎回同じような展開ではやはり飽きてしまう。面接者に対するセリフが読めてしまうからだ。なんだかなあという感じ。わかっているから先にいってよって感じになってしまう。

 8歳年上の恋人、陽子とのやりとりは陽子のさっぱりとした気性のせいか、とても生き生きとしていて楽しめた。ただ、このシリーズが続くようであれば、なんとなく暗雲が暗示されているような気がして心配になった。取り越し苦労だといいのだが。

 とにかく皆に幸せになってほしいものだ。リストラは他人事には思えないからね。
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『ゆりかごで眠れ』 垣根涼介 中央公論新社 
2006.05.03.Wed / 13:24 
ゆりかごで眠れゆりかごで眠れ
(2006/04)
垣根 涼介

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  ★★★★

 相変わらず抜群のリーダビリティで最後まで一気読みです。さすが垣根涼介です。

 コロンビアの日系人であるリキ。子どもの頃、両親を惨殺されたリキは麻薬マフィアのボスとしてのしあがってゆく。

 序盤、コロンビアの悲しい歴史は『ワイルド・ソウル』を彷彿とさせ、一時も目が離せなかった。南米モノを描かせたら垣根氏は本当に巧い。

 捲る手が止まらないほど面白い。面白いのだけど、それはコロンビア・マフィアとして重厚な面白さではなくて、父親としてのリキの振る舞いや浮浪児だったカーサとの心和む関係であったりする。小さいカーサが、リキパパを心配して慕う姿には胸が痛くなってきたり。中盤から後半にかけては、この部分が大半を占めているので読み応えがあってうれしい。子どもの心理状態というものを勉強させてもらって、それはもう目から鱗でした。子どもの描き方も非常に巧いです。

 これはこれで大変楽しませてもらったのだが、やはり読みたいのは南米と日本の関係でした。コロンビアの歴史を読んだときから、それが日本とどう関わってゆくのか。日系人であるリキが日本にやってきた理由がなんなのか。「信頼」という名においての暴力沙汰だけでは、ちょっと肩透かしに合った気分でした。マフィア同士の信頼は良かったが、日本の刑事の中途半端な描写にはガッカリ。とくに元女刑事の魅力のなさにはどうしようもないものを感じた。

 終始楽しませてくれ、また血と抗争でバイオレンスも多少あり、人間関係の横軸もきっちりと描いている。それなのに爽快感とか達成感がそれほど感じられなかった。とくに終盤失速してしまったのがとても残念でした。

 ということで、オチを読んで星1個減らしました。
『君たちに明日はない』 垣根涼介 新潮社 
2005.04.11.Mon / 22:27 
君たちに明日はない君たちに明日はない
(2005/04/01)
垣根 涼介

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  ★★★★☆

  いかがわしい社名の、さらにいかがわしい顔つきのクビ切り職業集団。つまりは、顧客の企業から委託され、リストラ予定者に退職を迫る、クビ切り面接官。

 主人公・村上真介は33歳という若さであるが、大抵は自分より年上の企業人に退職を勧告してゆく。

 仕事としては、精神的にかなりキツイものがあるだろうし、職業としても全然カッコ良くないのである。それなのに、垣根涼介が描くと、それがドラマになりエンターテインメント作品になるのだ。

 リストラ対象者に、建材メーカーの支店長、営業企画部の課長代理の女性、元同級生の銀行マン、音楽事務所プロデューサ。
泣かれたり、殴られたりとしながらリストラ対象者に真摯な気持ちで接していく真介に、こちらまで熱くなっていくのだ。

 いつもの垣根涼介テイストが散りばめられていて、それは、やっぱりエッチな主人公であったり、車やバイクの趣味であったり、音楽であったりと楽しませてもらったし、この作品を華やかなものにしてくれていた。

 いつもと同じ日常が続いてゆくと信じていたある日、突然にクビを言い渡される。自分だけは決してそんなことはないと思って過ごしている毎日が、ある日突然に引っくり返る人生。そんなとき人は何を思い、何を信じて生きていけばいいのだろう。
決して他人事ではない。

 いい大学を卒業しても、絶対大丈夫だと思って就職した大企業であっても、それは違わない。私たちには絶対という言葉はないのだ。それでも明日を信じて生きていきたいと思うし、出来れば人生を楽しみたいと思うのであった。

 君たちには明日はないのだろう。だが、そこからの人生はやっぱり自分で切り開いていかねばならないのだ。楽しい人生か、詰まらない人生になるかは自分次第なのである。
ラストシーンはいつもの垣根涼介らしく、一筋の風が通り過ぎるかのような爽やかでほろりとする場面で終わっていた。
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