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 折原一 の記事一覧
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『黒い森』 折原一 祥伝社 
2007.11.13.Tue / 15:51 
黒い森黒い森
(2007/11)
折原 一

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  ★★★★

 あ、これは楽しい。読んでいて素直に楽しめる本だ。遊び心は満載に、とにかく読者に目一杯サービスしてくれているのがありありと感じられる本だった。

 まず仕掛けが凝っている。表からも裏からも読める上に、解決編が袋とじになっているのが面白い。ただ解決編というよりエピローグという感じが強いが。「生存者」と「殺人者」というサブタイトルも興味をひきつけられる。読者はどちらを先に読めばいいのか迷ってしまうが、ここは本の指示通り「生存者」から読むほうがいいようだ。物語は、両方とも基本的に同じで、旅行会社の「ミステリー・ツアー」で樹海の中に入り、ある山荘に赴くというもの。道中と山荘での出来事をお楽しみにということか。

 というわけで女性の視点と男性の視点で進んでいくのだが、「殺人者」のほうが若干ネタがバラされているので「生存者」から読むほうをお勧めする。折原氏お株の叙述があるのかどうかも、読んでからのお楽しみに。

 まあ、折原読者なら先の出来事も真犯人も易々と見破れるし、すべて思ったとおりに進んでいくので、なんら驚きも怖さもないのだが、この構成と仕掛けは素晴らしいの一言。内容的には表現が少々あっさりしているため、本格ミステリファンには物足りないかもしれないが、なかなか楽しませてくれるのは確かである。読書を楽しみたい方へお薦めしたい一冊である。
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『疑惑』 折原一 文藝春秋 
2007.08.15.Wed / 19:00 
疑惑疑惑
(2007/06)
折原 一

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  ★★★★★
 
 これは面白かった。
 
 振り込め詐欺、放火、バラバラ殺人、リフォーム詐欺、騒音おばさん、といった三面記事やワイドショーで目にする犯罪をモチーフにして、折原特有のひねりをきかせた上質なミステリー短編集として仕上がっている。

 今回は、叙述の折原らしからぬラストの驚嘆もそこそこに、無難な纏め方をしていた。騙しの効果を考えるなら、仕込みにたっぷりとページを割ける長編のほうがやはり有利だろうが、折原の場合は逆のようで、短編のほうがピリリとしたサプライズも心地良く、気分良く読めるのでとても楽しい。初心者クラスのミステリーだと言われるかもしれないが、安心して読めるミステリーもなかなか良いものである。
『行方不明者』 折原一 文芸春秋 
2006.08.19.Sat / 20:29 
行方不明者行方不明者
(2006/08)
折原 一

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  ★★

 ネットができなくなってヤケクソで購入した本書である。いやいやそれは失礼というものであろう。最近の折原作品は、けちな私が必ず購入している本のうちの一つである。惹句が振るっている。


ある朝、一家は忽然と消えた。
闇よりも深い、黒い沼のほとりで――
名作『沈黙者』から5年。
実際の事件に材をとった
「――者」シリーズ待望の最新作は、
現代ミステリーの最高峰!

 
 「現代ミステリーの最高峰!」ってか。かあー。なんか言いたい放題だな。だけど折原だしな。
そして裏の帯がこれまたものすごく魅力的なんですよ。


  埼玉県蓮田市で、ある朝、一家四人が忽然と姿を消した。
炊きたてのごはんやみそ汁、おかずを食卓に載せたまま……。
  両親と娘、その祖母は、いったいどこへ消えたのか?
  女性ライター・五十嵐みどりは、関係者の取材をつうじて
      家族の闇を浮き彫りにしてゆく――。
  一方、戸田市内では謎の連続通り魔事件が発生していた。
  たまたま事件に遭遇した売れない推理作家の「僕」は、
自作のモデルにするため容疑者の尾行を開始するのだが――。

 
 ねねね。こんな巧いキャッチを書かれたら購入するしかないっしょ。
 
 プロローグの「白い靄」で、折原定番の叙述ミステリーの匂いがぷんぷんする。だけどなんのこっちゃわからないいかにもな始まり。と一転、一家四人が忽然と姿を消したという事件が提示され、推理小説家の「僕」が事件を追っていく。
 
 炊きたてのごはんやみそ汁とおかずを食卓に載せたまま、消えた。という情景が素晴らしい。まさに物語の不穏さを象徴している。読者のあずかり知らぬところでとんでもないことが起こっているのでは、といった事件性の残虐さが暗示されて、いやがうえにも期待は高まるのだ。
 
 だが、蓮田市と戸田市を行きつ戻りつしながらの情景描写は繰り返しあるものの、肝心の当事者の背景、及び心の闇のようなものが描かれてないため、まるで砂を噛むような虚しさだけが残ってしまう。ミステリーだから、というのでロジックが破綻しなければ良いというのではないだろうが、やはり事件であれば、そこに至る人間関係などを描いてくれないと楽しめない。そうでなければ女性ライターの役割も必要ないだろうし、家族の闇なんていう意味深な言葉も無用だろう。
 
 折原お得意の「僕」という一人称を出してきているので、たぶんこの男が事件に関わっているのだろうと予測をしながら読むのだが、残念ながらその作業自体はそれほど面白いとは感じられなかった。きっと魅力的な人物ではないというところが大きかったのだろう。途中から粘着質でストーカーまがいの行動が癇に障ったのがまずかったのだな。きっと。
 
 あっ、と真相ですか?ああそれはですね、「なんじゃこりゃ」で終わりました。つまんねー。
『グッドバイ―叔父殺人事件』 折原一 原書房 
2005.11.17.Thu / 09:04 
グッドバイ―叔父殺人事件 (ミステリー・リーグ)グッドバイ―叔父殺人事件 (ミステリー・リーグ)
(2005/11)
折原 一

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  ★★★★☆

 叔父がネットの集団自殺をしたという知らせに、叔母は偽装殺人だと疑い、「僕」に真相を探るように命じる。他の遺族の者に会いにいくたびに「僕」は監視されていることに気づく。「僕」は狙われているのか?

 くー。またしても騙されてしまいました。そして気持ちよく脱力。いつもの折原マジック全開でしたね。構成が凝っていたので、絶対ここに仕掛けがあるんだと思ってわくわくしながら読み進めていきました。

 まずカバーイラストの少年の絵と見返しのあらすじで完全に術中にはまってしまったところで敗北です。絵のセレクトとあらすじが巧すぎです。やーもう、完敗です。

 序幕の終わりで呟いている意味深な言葉。すべてはここから始まっています。叔父が死んだという冒頭部分から折原ワールドに取り込まれていきます。やはりこの雰囲気は好きですね。

 折原氏が描く人物はちょっと癖のある人が多いです。とくに可笑しな怪しい女性を描かせたら絶品です。この部分についてはあんまり言っちゃうと拙いのでこのくらいで。とにかく集団自殺志願者へのインタビューは面白かったです。

 今回の真相については「ふーん」で終わりましたが、折原氏の場合は「ふーん」というのは私の中では良い評価なのです。だいたいは怒り心頭の場合が多いからです。ついでに言うと、これは褒め言葉です。いつも騙されてばかりいますが、これが快感になっているのか、やっぱり新刊が出るとすぐに読みたくなる作家ですね。今回もすごく面白かったです。

----------- 
 参考までに昨年出版された『偽りの館―叔母殺人事件』の感想を読書ノートに書いてありましたので載せておきます。

 リーダビリティは抜群で物語にどんどん引き込まれて捲る手が止まらないのだが、途中から予想がつき、ちょっと退屈になっていった。だって楽しくないんだもん。特にラストは叔母が○○○○○というのが超むかついてしまったよ。
 あはははは。じゃあね。

追記
 ひとつは最初から判りました。ふっふっふ。
『黙の部屋』 折原一 文芸春秋 
2005.05.29.Sun / 09:08 
黙の部屋黙の部屋
(2005/04)
折原 一

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  ★★★★☆

 ラストを読んで、またしても頭を掻きむしってしまいました。

 いつも折原さんにはやられっぱなしなので、いや別にそれはいいんですが、「まだ解けていない謎」なんてものがあるのでは、消化不良を起こしてしまって、誰かちゃんと教えてよー、と叫ばずにはいられなかったです。
 で、くやしいので星半個減らしちゃいました。えへへ。
 でも、考えてみたら、作家が作中で、「まだ解けていない謎がある」なんて言うのはおかしいんですよね。だから、これこそが本書のミステリであって、すでに周知の事実として書かれてあったりするんでしょうか。(誰かネタバレ書いてください) えっ!? そうなの? ああぁ、頭の悪いわたしは、じぇんじぇんわかりません。

 なんか、終盤、バタバタと謎解きが進み、解答編がいやにあっさりしているなあ、なんて思ったりしたのですが、もしかして、すでにわたしは折原マジックにやられちゃってたのでしょうか。それって、作者の思う壺?

 が~ん。(最後がおばあちゃんの話で終わってたしなぁ。)
 まあ、いいでしょう。こういう難しいことはミステリサイトの方にお任せしておきましょう。

 画家、石田黙とはいったい何者なのか?という石田黙の絵画をモチーフに、記憶を失い地下のアトリエに監禁されて、絵を描き続ける男の心象風景や、その男が描いたと思われる謎の作品、あるいは実在しないと思える電話が通じる不気味さ、そして最後まで判らなかった男の正体といった謎と平行して、美術雑誌の編集者が謎の画家、石田黙に迫ってゆきます。

 主人公の編集者が、美術オークションやネットオークションで石田黙作品を落札する興奮や、あるいは画歴を調べて、なんとかして石田黙に辿り着こうとする執着心は、そのまま私の気持ちと重なってくるので、謎解き部分より、こちらのほうがずっと面白かったですね。

 とくに、本書の真ん中にあるカラー写真と、物語が進む中で添えられたたくさんの絵画が見応えがあり、また私はこの絵にすっかり魅せられてしまったものだから、本書をいやがうえにも興味津々で読むことができましたし、そしてまたこの作品を単なる謎解きで終わらせないで、奥深い作品としてくれました。

 ミステリとしては、微妙ですね。表舞台になかなか登場しなかったある人物の役割がいまもって判らないままなので、評価のしょうがないです。というより、実はサプライズは石田黙その人であって、もしかしたらミステリは添え物だったのかもしれません。それほど、この作品は、どこまでがノンフィクションで、どこまでがフィクションなのか判断がつかないという、読者を煙に巻いた素晴らしい作品でした。

 まさに美術ミステリともいうべき作品ですね。

 ところで「石田黙」がネットでヒットしないのです。
 『美術年鑑』で調べてみないとわからないですが、これって、いよいよ作者の術中に嵌ったということでしょうか。

 やられましたね。
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 そうそう。コメントは「OPEN▼」でも読めます。いちいち戻らなくてもいいので便利かもしれません。

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