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 永井するみ の記事一覧
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『ドロップス』 永井するみ 講談社 
2007.08.15.Wed / 18:56 
ドロップスドロップス
(2007/07/26)
永井 するみ

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 ★★★★
 
 三十代の女性達。セックスレスやら不倫やら未婚のママやら、しかも蹴り倒してやりたいような男も出てきたりと、ちょっぴり味付けに嫌味があって、なかなか面白く読めた。決して共感はできないのだが、連作短編なので一人ひとりの言い訳のような語りが「なるほど」と思うのか、意外とサクサクと読み進めることができた。

 それにしてもこの装丁はどうにかならなかったものか。あまりにも内容とかけ離れているし、こんな幼稚なイラストでは買う気もおこらない。ピンクとブルーの組み合わせというのもあまりにも安易すぎて笑ってしまう。素人でも使わないだろ。これは。
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『年に一度、の二人』 永井するみ 講談社 
2007.04.06.Fri / 10:10 
年に一度、の二人 年に一度、の二人
永井 するみ (2007/03/07)
講談社
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 香港の競馬場で秘密の逢瀬を重ねる主婦。その同じ場所で、一年後の約束に思いを募らせるOL。「僕は待ってます。来年の同じ日に、同じ場所で」という男達。どんなに魅惑的な話だろうと期待していたのだが、まったく外れだった。ただの事実の羅列にすぎなかった。不倫が悪いと言ってるのではない。なんとも掴みどころのないふわふわした話であり、どこにもドキドキする要素はまったくなかった。つまらん。永井さんということでかなり期待したのがマズかったのかもしれない。
『欲しい』 永井するみ 集英社 
2007.01.17.Wed / 23:49 
欲しい欲しい
(2006/12)
永井 するみ

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 やはり永井するみは面白い。そして案の定、えげつなかった。
 
 どこにでもいそうな登場人物たち。そして、それを怖いと思わせてしまうリアルさがあって唸ってしまう。悪意。それは誰もが心の片隅に抱えている感情だ。永井はそれをさらっと掬い取り、ぐりぐりとさらけ出してくれるのである。それほど人物描写が巧みで、引き込まれる。捲る手が止まらないとはこのことだ。そしてそんな物語を読ませてくれるから永井の小説は魅力的になのだ。
 
 本書は三人の視点で書かれている。一人は人材派遣会社を経営する紀ノ川由希子。42歳、独身。毎朝大量のサプリメントを口に放り込み、週に一度は美容院に行き、三軒のエステサロンとジム通いで若さを保っている。取引先の商事会社の取締役である久原とは、関係を持つようになって五年。割り切った大人の付き合いといっても、家庭がある相手との関係は心がすさんでゆく。当然、欲しいものもでてくる。
 だが、報われない心の隙間を埋めるべく由希子が選んだのは、出張ホストのテルだった。このテルが二人目の人物。
 
 久原と会えば会うほど飢えていく由希子。だから、久原との逢瀬の後は必ずテルを呼び、心のバランスをとる。由希子にはテルが必要だった。そんなある日、由希子の会社に登録しているありさという女性が派遣先でトラブルを起こす。ありさの離婚した夫・優也が金の無心に会社のロビーに乗り込んできたのだ。このありさが三人目である。
 
 飛びぬけた美貌をもつ優也であるが、執拗にありさに付きまとう。優也の暴力と借金を理由に離婚したありさである。なんとか力になってやろうとする由希子。だがありさは迷惑をかけるからと、由希子に派遣の登録を削除してほしいと訴える。
 
 この後どう物語が転がっていくのかは、それは本書を読んでからのお楽しみである。何でも「欲しい」と思っている者と何も「欲しい」とは思ってない者がいる。さて、いったいどちらの想いが成就するのであろうか。当然な結末と思うのか、あるいは意外な結末と思うのか、それは読む者の心の有り様かもしれない。
 
 ミステリとして楽しんでもいいし、登場人物の感情の行く先を楽しむのも良い。どちらにしても面白く読める小説である。
 
 おすすめ。
『ダブル』 永井するみ 双葉社  
2006.10.15.Sun / 22:17 
ダブルダブル
(2006/09)
永井 するみ

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 相馬多恵は、駆け出しのフリーライターである。多恵が本当に書きたいものは、「人間という生き物の不思議さ、しぶとさ、哀しさが伝わるもの」である。そんなとき「いちゃつきブス女」と「痴漢に間違われた鉄道マニア男」という、被害者に対する思いやりのかけらもない言い方で注目を浴びている二つの事件が起こる。二人の人生を調べてみれば面白そうだと打算含みもあった多恵なのだが、自分が知りたいと願っていたことがここにあるのではないかと思ったのも事実なのだ。取材を進めていくうちに、ある女性に辿り着く。まさか、彼女が、と思うほど外見はおっとりとした可愛らしい女性なのである。彼女を追えば追うほどにかつてない犯人像と動機にとりつかれていく。
 
 この二人の被害者は、他人に不愉快な思いをさせる要素がたくさんあった。肥満だったり、ブスだったり、香水がきつかったり、声がキンキンしていたり、と。見た目が悪いと、無責任な世間の人たちは被害者に対してにやりと笑うだけで同情さえもしないのである。気の毒なのは確かなのだが、これでは恨まれてもしかたがないのでは、と思うのも正直なところである。読んでいくうちに、それはどうしてなのか、なにがそんなに人を不愉快にさせるのかということがわかってくると、恐ろしいことに、犯人の気持ちに同調していくのだ。と同時に、犯人に迫っていく様子に目が離せなくなるのである。こんなにドキドキするのは久しぶりである。まるで肌が粟立つような、それでいて、なんともいえない嫌な感じもするのだが、面白いのも確かなのである。犯人の不気味さ。いったい何を考えて事を起こしたのかわからないというような、得体の知れない犯人の不気味さに怖気出すのだ。
 
 永井するみは、女性の気持の描き方が抜群に巧い作家なのであるが、本書の、気持ちの悪い不気味さは群を抜いている。平凡な主婦が普段どんなことを考え、世間一般にはどんなふうに見えているのか。働く女性として雑誌のライターを登場させ、彼女と対比させて、同年齢の家庭が中心なだけの自分勝手な人物との心理合戦は素晴らしい。
 
 驚愕の事実が待っているのだが、それにも増して最後に辿り着いたほっとするような温かい気持ちには救われる。世間一般には疎まれていると思われている人物も、近くにいる人にとってはとても大切でかけがえのない人だったりするのである。そこに気づかせてくれて、不覚にもほろりとさせられるのであった。
 
 一気読みです。お薦め。
『さくら草』 永井するみ 東京創元社 
2006.06.26.Mon / 18:25 
さくら草 さくら草
永井 するみ (2006/05/27)
東京創元社
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 少女たちに絶大な人気を誇るジュニアブランドの「プリムローズ」。そのブランドを着た少女たちが殺される。ミステリで二段組とはどれぐらい書き込んでいるのかと、くらくらっとして俯きかけたが、読み始めるとするすると一気に読めてしまった。その筆力はさすがである。ジュニアブランド、専門業界への目の付けどころ、その綿密な取材力には舌を巻いてしまう。高価であるが、欲しくて欲しくてたまらないブランド物は少女たちの憧れの的である。それに入れ込んでいる少女たちの心情や親との係わりはハッとさせられる。親を巻き込んでブランド物に執着する少女たちはどうなっていくのだろうか。
 
 伏線が弱いから犯人まで辿り着けないという不満があるが、本書はミステリに重点を置いているのではないことは明らかなので、それぞれの心理描写を愉しむほうが断然良い。身内の交通事故で娘を亡くした母親。トラウマを持っている女刑事。不倫をしている有能なマネージャーのじくじくとした心の痛み。能天気なカリスマデザイナー。どれ一つとっても一筋縄ではいかないドラマがある。相変わらず容赦のない、胸をえぐるような意地悪な視点がいっそ気持ちが良い。殺人犯を追いかけながら、描いていこうとしているのはそういう人間の心の闇ではないだろうか。
 
 読み応えもあり、一気に読める。だが風呂敷を広げすぎたせいか、事件が終わってしまっても、せっかくの美味しいネタが宙ぶらりんになってしまって、もやもやした気持ちが残ってしまった。その後の彼女達の話を読みたかっただけに残念である。
 とはいえ、非常に読みやすいし勢いがあるので、とくに永井するみファンにはお薦めしておきます。

 (はてなからの再録です。続きにそのときにいただいたコメントを載せておきます。)
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 高速画像表示にするため、「広告あり」に設定しました。ちょっと邪魔ですがよろしくお願いします。2011/12/21

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 でも最近は感想文は書いてないです。すみません。

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 カテゴリのところをちょっといじりました。
 ドールはmomoko、Misaki、Barbie、FRと分けて、それぞれの全記事が表示できるようにしました。少しは使い勝手がよくなったと思うのですが、どうでしょうか。2008/7/23

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 何かありましたらこちらまで。
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 薔薇の黒背景は画像が綺麗に見えるので私も好きでしたが、やはりエントリ別に見るときは使い勝手が良くないようです。CSSを弄れるといいのですが、このレベルになるとさすがに勉強しないと無理なのでやめました。ずいぶん粘ってみたんですけどね。なので元に戻しました。またそのうち黒背景にすると思います。2008/09/24
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 そうそう。コメントは「OPEN▼」でも読めます。いちいち戻らなくてもいいので便利かもしれません。

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