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 川端裕人 の記事一覧
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『エピデミック』 川端裕人 角川書店 
2008.01.08.Tue / 02:48 
エピデミックエピデミック
(2007/12)
川端 裕人

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  ★★★★☆

 舞台は、C県T市(千葉県館山市)。その、農業と漁業の町・崎浜で、インフルエンザ患者が続出する。総合病院に運ばれた患者は3人とも、突然、体全体が発火したように高熱がでて昏倒してしまったのだ。果たしてこれはSARS級の新型インフルエンザなのか。多くの患者がすぐに肺炎にまで症状が進み、為す術もなく死んでしまうのである。国立集団感染予防管理センターのフィールド疫学者・島袋ケイトは、同僚の仙水望、総合病院の高柳医師、保険所所員の小堺らと共に感染現場に赴き、感染経路の究明と疫病の元栓を閉めることに奔走する。

 「竜とわれらの時代」の川端が帰ってきたような重量感のある小説だった。竜のときも恐竜学を学ばせてもらったが、今回はあまり馴染みのない“疫学”という学問を非常に興味深く読ませてもらった。

 小説の形としては、ミステリーの体裁をとったパニック小説のようにみえる。が、単なるサスペンス小説と決め付けるのは惜しい。おそらく綿密な取材と調査を行ったのだろう。膨大な資料をもとに“疫学”の現在の立場を示し、問題点を洗い出し、今までいかにして病原体と闘い、どれほどの犠牲を払ってきたのかを語りたかったのではないだろうか。

 繰り返される状況がエンターテイメントとしてはテンポを悪くしているし、度重なる疫学用語に多少嫌気が差すこともあるが、“疫学”小説としては非常に読み応えがあり面白かった。出来ることなら、もっと子供たちの描写を入れてくれてサクサク進んでくれると有難かった。やはり川端氏の真価が発揮するのは、子供たちの心理描写や行動ではないだろうか。

 お薦め。
▽Open more.
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『桜川ピクニック』 川端裕人 文藝春秋 
2007.04.06.Fri / 10:13 
桜川ピクニック 桜川ピクニック
川端 裕人 (2007/03)
文藝春秋
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 パパの育児小説といえばいいのか。子育ては大昔に終わってしまったので、今更ふにゃふにゃした赤ん坊の話や、二、三歳児の悪ガキの話を読んでもピンとこない。なので、いまひとつ乗れなかった。悩めるパパの話なんかどうでもよくて、それより働くママが子育てを亭主に任せてしまっていることについてどう思っているのかを知りたかった。弁護士のママの話ももう少し突っ込んで読みたかったな。それから働くママは、初めからミルクで育てることになんら葛藤はないのだろうか。三ヶ月で断乳するのは辛いよね。
 
 どれも普通に可愛い話だった。
『星と半月の海』 川端裕人 講談社 
2006.12.11.Mon / 22:51 
星と半月の海星と半月の海
(2006/12/01)
川端 裕人

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 これは素晴らしい。
 
 ペンギンとかサメとかパンダとか、果てはティラノサウルスまで、動物をテーマにした短編集。とはいっても、どこか滑稽で馴染みのない奴らばかりなんで、なんとも言えない、味わいのある動物小説だった。
 
 これがめっぽう面白い。読んでる最中、何度「面白い」とつぶやいたことだろう。表紙がそのテイストを表してくれているが、まさにこういうびっくり箱のような、それでいて丹念な取材と真摯な思索に裏打ちされた、学術的な趣のある作品集だった。
 
 最初の「みっともないけど本物のペンギン」は、動物園の飼育係である主人公が自分の飼育しているペンギン達の「堕落」ぶりに心底嘆くところから始まる。しんみりとわくわくした話。餌をおねだりする姿は確かに「かわいい」ようだが、野生動物のペンギンがそんなことでいいのかと。そんなときピンボケの写真に写っている、およそペンギンとは思えない物体が、もしかして絶滅したはずのペンギンではないかと思う。本物の野生ペンギンに会いたくて、日本にいないはずの謎のペンギンを追いかけてゆく。
 果たして主人公は、生きて出会うことができたのであろうか。先を急ぐわくわくした気持ちは、まさに以前に読んだ『銀河のワールドカップ』の高揚感に似ていた。
 
 次の表題作の「星と半月の海」は、これまた打って変わって、詩を読んでいるような、文章が色づいていくように魅力的であった。舞台は西オーストラリアの海。オーストラリアの研究者と日本人獣医がチームを組んでジンベエザメの回遊の秘密に迫っていく話。主人公の女性獣医がジンベエザメに寄り添って泳ぐ姿が、なんだか物悲しくて、どきどきしながら読んだ。娘の美月との親子関係にもはらはらと。きっと、大人しくて臆病で、環境に弱いジンベエザメを心の中で応援していたからだろう。
 
 「ティラノサウルスの名前」には、古生物学者とその息子の恐竜少年がでてくる。恐竜展の会場に現れた謎の「恐竜ファン」が「ティラノサウルス」という名前を脅かすのだが、結局この男は誰? ま、こんなことより、やはり子供の描き方が巧い。『竜とわれらの時代』をちらちら思い出して非常に楽しかった。
 
 あとは「世界樹の上から」「パンダが街にやってくる」「墓の中に生きている」と続く。先に出てきた人物達がまた登場して楽しませてくれる。
 
 どの作品も違った雰囲気があって、今までにないテイストで楽しませてもらった。一度読み出したら止まらない。最後まで夢中で読ませてもらった。やはり表紙カバーで購入決定したのは正解だったようだ。飾っておくのも良し、何度も読み返したい動物小説である。
 
 広くお薦めしたい。
『銀河のワールドカップ』 川端裕人 集英社 
2006.05.27.Sat / 22:59 
銀河のワールドカップ銀河のワールドカップ
(2006/04)
川端 裕人

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  ★★★★★

 タイトル通りのサッカー小説です。 それも飛びっきり面白い小学生のサッカー小説でした。

 川端氏は子供を描くのが非常に巧い作家です。 そして、そんな川端氏の小説が好きです。 だけど、サッカー小説と聞いて好んで読んでみたいと思うほど、 サッカーが好きではないし、ましてやテレビ観戦もしません。 だからルールも知らなければ、 最近の少年たちにどれだけの技量が備わっているかなんて全く知りませんでした。

 それが、とにかく興奮させられました。

 下手糞な少年サッカーほど観ていて退屈なものはありません。 興奮しているのは身内だけで、観客席で応援している父母たちだけでしょう。

 ところが、ここに登場しているのはトップレベルの少年たちです。 どんな枠にもはまらない、とにもかくにも桁外れにスケールがでかい少年たちです。 体力に恵まれ、抜群の頭の良さをフル回転させた少年たちが、 ゴールへの意思に満ちたサッカーやるのですから面白くないはずはないのです。

 自分の頭で考えて試合を組み立てる。 そこには周りの雑音なんて入らないのです。 とても小学生とは思えないほどの、 生き生きとした描写が素晴らしいです。 これは子供とサッカーを愛している川端氏だからできるのでしょう。

 サッカーの試合については、いちいち細部まで描かれているので、 ついていけるかなと心配でしたが杞憂でした。 ルールなんて全くわからなくても関係がなかったです。 不思議と場面場面が目に浮かんできて、一緒になって走り回っていました。 そのうち涙があふれてきて、気づいたら文字がかすんでいました。

 どんな展開になるのかは読んでからのお楽しみですが、 少年たちの夢は大きいです。 さて、タイトル通り銀河のワールドカップを手に入れることはできるでしょうか。

 お薦めです。

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 薔薇の黒背景は画像が綺麗に見えるので私も好きでしたが、やはりエントリ別に見るときは使い勝手が良くないようです。CSSを弄れるといいのですが、このレベルになるとさすがに勉強しないと無理なのでやめました。ずいぶん粘ってみたんですけどね。なので元に戻しました。またそのうち黒背景にすると思います。2008/09/24
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 そうそう。コメントは「OPEN▼」でも読めます。いちいち戻らなくてもいいので便利かもしれません。

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