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 恩田陸 の記事一覧
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『不連続の世界』 恩田陸 幻冬舎 
2008.08.16.Sat / 05:47 
不連続の世界不連続の世界
(2008/07)
恩田 陸

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 『月の裏側』で登場した塚崎多聞が登場。といっても『月の裏側』が面白かったことは覚えていたが、多聞という男がどんな奴だったかなんて全く覚えてなかったし、どんな内容の話だったかも忘れていた。ただ、不思議な雰囲気のある話だったというのは記憶にある。

 最近、恩田陸の小説はピンとこなくてがっかりすることも多くて、とても購入してまで読もうと思うことはなかったのだが、聞くところによるとこれは『象と耳鳴り』に通ずるものがあるというのだ。あの奇妙で独特なユーモアのある世界が大好きなわたしは速攻で購入を決めた。

 で、結論から言えば、『象と耳鳴り』の可笑しなユーモア感がなかったせいか、はたまたノスタルジックなホラーを目指していたせいか、予想していた世界とは違っていた。確かに帯のあるように「詩情と旅情」にはあふれていたが、短編集なせいか連続感がなくて、もっと読みたいのにここで終わってしまうのか、という物足りなさで終わっていた。

 ところで、登場人物たちが若いのか中年なのか、または何をやって食っているのか捉えどころのない人ばかりであるのが面白かった。業界人やら医者やら官僚やらと、ステータスの高い人種の登場はそれだけで独特な雰囲気を醸し出す。主人公の多聞といえば、やはり少し変わった人種のようで、どうやら音楽ディレクターらしいのだが、掴みどころのないのはお約束のようで、ふわふわとした日常生活を送っていた。

 その多聞自身の話をした最後の短編「夜明けのガスパール」が絶品だった。友人ら4人と夜行列車に乗り「怪談やりながら、さぬきうどんを食べに行く旅」の普通の出だしが、いつしかひっくり返るような危ういさが素晴らしい。

 そんな奇妙な世界が、この短編集の魅力のようだ。

追記 2008/08/19 22:45
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 「粋な提案」 http://1iki.blog19.fc2.com/blog-entry-540.html
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『いのちのパレード』 恩田陸 実業之日本社 
2008.01.04.Fri / 23:01 
いのちのパレードいのちのパレード
(2007/12/14)
恩田 陸

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  ★★☆

 恩田版異色作家短編集というところか。ホラー、ファンタジー、SF等、15編からなる短編集。

 最初の「観光旅行」で、ぞくぞくするほどの興奮を覚えたものの、だんだんとわたしの興味の対象から遠く離れていってしまい、読んでいても砂を噛んでいるような虚しさを味わってしまった。

 恩田陸は、情景描写が巧いので作者の狙いがこちらの興味の対象であれば、嵌って読めるのだが、遥か斜め上をいくような作品だと違和感ばかりが募って楽しめない。実験的にあれこれ試みるのは評価できても、まるで知らない作家のような作品ばかりでは落ち着いて読むことができないというところか。正直、異色作家短編集へのオマージュとしては、残念だが成功したとはいえない。
『朝日のようにさわやかに』 恩田陸 新潮社 
2007.04.28.Sat / 21:24 
朝日のようにさわやかに朝日のようにさわやかに
(2007/03)
恩田 陸

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  ★★★★

 ショート・ショートを含む14編からなる短編集。いろいろと違った種類のものが味わえてお得な作品集。その分、統一感に欠けているかも。好きだった作品について一言コメントを。

 「冷凍みかん」
 この作品は特に印象が強い。「冷凍みかんを凍らせたまま安全な場所に」という言葉を残して死んだ老人。冷凍みかんで思い浮かべるのは、旅。逆に、旅に出るときにしか食べないもののように思うのだが、田舎の寂れた店に置いてあるアイスボックの底に、もしこれを見かけたら…。なんて思うと楽しい。

 「いいわけ」
 「今朝はとてもいい天気だったからねえ」それでこんなことをしでかすのは…。発想がとても愉快。巧いなあ。ところでモデルは誰?

 「おはなしのつづき」
 これも好き。どういった状況での話なのか、しだいに分かってくるのだが、口調が軽やかなだけにずどんとくるオチにはやられてしまう。

 「淋しいお城」
 この世の中で「淋しい」ことくらいいけないことはない。「みどりおとこ」は淋しい子供をさらっていく。メルヘンチックだけど、そこにあるのは恐怖。「ミステリーランド」の予告編として書いたものらしいが是非とも本編を読みたい。

 「卒業」
 スプラッタ・ホラー。たった二十枚の中にあるのは、どこをとってもぞくぞくするほどの恐怖。是非長編で読みたい。
『中庭の出来事』 恩田陸 新潮社 
2007.01.13.Sat / 00:45 
中庭の出来事中庭の出来事
(2006/11/29)
恩田 陸

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  ★★★★☆

 「中庭にて」「旅人たち」『中庭の出来事』という三つのパートが交互に語られて、「中庭にて、旅人たちと共に」で、エンディングを迎える。
 
 いつものように非常に上手い出だしで、読者をひきつける。そして読者は、魅力的なエピソードにくらくらしながら、わけもなく恩田ワールドに引き込まれてゆく。
 
 読み始めてすぐに、不可解な死を遂げた脚本家の死の謎がでてくる。その「真相」を二人の女が語ってゆくのだが、「女」という記号を使っているため、果たして真実はどこにあるのか、いったいこれから何が起こるのか、漠然としていて、不安感でいっぱいになっていく。と思うと、ここで、片方の女に異変が起こる。
 
 それぞれのパートが中庭に関係しており、殺人も起きているらしいが、各パートとの関連性が見えてこず、そのまま読み進めるしかない。挙句の果てに、三人の女優が出てきて演劇が始まるのだが、まるで「チョコレートコスモス」のような雰囲気である。このお芝居の部分が本格ミステリか。いや、どうもそう言い切ってはだめなようだ。   
 
 パートごとに、なんどもなんども同じ話を語り手を変え、少しずつズラしながら語ってゆくのである。そのため、話が幾重にも折り重なって、まるで入れ子状態である。読者はだんだんと不安になり、足元はぐらぐらしてゆく。仕舞いには、いったい自分は何の謎解きをすればいいのか、また何を信じて読んでいけばいいのか、眩暈までしてくる始末である。
 
 虚構と謎に満ちた話である。恩田特有の妖しく美しい表現が散りばめられ、物語はますます魅惑的になってゆく。それと共に謎は謎を呼び、いよいよ藪の中?ああ?
 ということで、エンディングで怒らないように。
 なかなか素晴らしい作品。恩田ファンにお薦めしたい。
『チョコレートコスモス』 恩田陸 毎日新聞社 
2006.03.20.Mon / 21:35 
チョコレートコスモスチョコレートコスモス
(2006/03/15)
恩田 陸

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  ★★★★★

 これは傑作です。

 素晴らしすぎて星5つでは足りないくらいです。星10個くらいあげたい。それくらい凄い作品です。

 今回は、異界の話でも超能力の話もファンタジーでもありません。少女マンガに見られるような大河演劇小説です。恩田版「ガラスの仮面」といわれたこの作品。正直申し上げてそれほど期待していたわけではありません。ところが、少女がたたずむ美しい冒頭シーンでめろめろにされ、心は一気にめくるめく本の世界に引き込まれていきました。

 私は「ガラスの仮面」のファンです。ですので、読み始めてすぐに誰がどのキャラクターなのかすぐに判りましたし、エピソードも話の展開も、ああこれはあの場面ね、といった具合に先が見えてしまうのです。が、それでも恩田陸の手にかかると、こんなにも興奮する場面に変わるんだと驚嘆してしまったのです。

 冒頭の掴み、プロットの緻密さ、キャラクターの魅力、熱い展開。どれを取っても素晴らしいです。
 
 読んでいる最中、あまりの凄さに鳥肌が立ち、背中からぞわぞわしてきて、舞台を観る観客と一体になって食い入るように本の世界に引き込まれていきました。

 まさに怒涛の500頁。いったん読み出すとそこには華麗な演劇バトルが待っていました。一人の目立たない少女が舞台に立つ。それは一見なんでもないようですが、W大に入学して間もない、演劇経験のまったくない彼女が、いかにして演劇に目覚め、有名なオーディションに臨むことになるのか。読み出すと、演劇の世界にどっぷりはまっていました。

 「ガラスの仮面」を読んだことがない人も、演劇を観たことがない人も、どうぞ恩田陸渾身の力作、この演劇作品を堪能してください。
 
 おすすめです。

▽Open more.
『エンド・ゲーム』 恩田陸 集英社 
2006.02.04.Sat / 21:28 
エンド・ゲーム―常野物語 (常野物語)エンド・ゲーム―常野物語 (常野物語)
(2005/12)
恩田 陸

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  ★★☆

 『光の帝国』『蒲公英草紙』を書いた人と同じ人だとは思われないほど出来が良くない。常野物語シリーズ第三弾なのですが、今までの設定におんぶして流して書いたとしか思われない出来です。

 『光の帝国』の「オセロ・ゲーム」を覚えていたわけではないので、その続編というべきこの物語に対して、勉強不足があったことは否めませんが、それでも「裏返す」ことや「裏返される」ことだけを言葉遊びのように使い、なんらそれに対して綿密な裏打ちがないというのは、物語に薄っぺらの印象しか与えてくれません。

 文章に魅力がないというのも、輪をかけてつまらなくしていますね。
 しっかりとした構成力もなく、まるで今思いついたかのようにだらだら進んでいく物語では、緊張感は生まれません。それが二転三転される話でもドキドキ感は半減されてしまいます。もともと物語をきちんと収束させるということに重きを置いてない恩田陸ですが、それでもこの二転三転がどうラストに繋がるのか楽しみにしていた私としては、今回の頭の痛くなるようなラストでは肩透かしもいいところでした。序盤が面白かっただけに残念です。

 超能力ものとしてもモダンホラーとしても、いまひとつ。もう少し丁寧に物語を作ってほしかったですね。

▽Open more.
『ネクロポリス』 恩田陸 朝日新聞社 
2005.11.21.Mon / 21:41 
ネクロポリス 上ネクロポリス 上
(2005/10/13)
恩田 陸

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ネクロポリス 下ネクロポリス 下
(2005/10/13)
恩田 陸

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  ★★

 やっと読み終わりました。やれやれ。

 やっぱりファンタジーは私には合いませんね。読みやすいしサクサク読めちゃうのですが、如何せん、とにかく退屈。「ヒガン」というテーマはなかなか興味深いものがあるし、主人公は東大の人類学の博士課程ということだったので民俗学がらみの面白い話もあるかと期待して読んだのですが、言葉が並んでいるだけの薄い内容でしたね。八咫烏、鳥居、陰陽師、かごめかごめ、百物語、マヨイガ、観音島、補陀落山、ギリシア神話などなど。魅力的な言葉のオンパレードなんですが、ちらっと触れているだけでは気持ちの高ぶりはありません。物語の舞台設定や雰囲気は、異次元の世界に紛れ込んだようにわくわくするほど面白いので、これでは勿体なさ過ぎです。ちょっと詰め込みすぎましたか。

 解決編はやや急ぎすぎた感があって、あれ?これでもう終わりなの?という締まらない結末でしたね。

 年齢的にもこんな想像力豊かな世界に嵌ることは出来なくなってきたのでしょうか。ほんとに、この話が物凄く好きだという人が羨ましくてなりません。残念ですが私には合わなかった
 
 ということで、すみません。
▽Open more.
『蒲公英草紙 常野物語』 恩田陸 集英社 
2005.08.03.Wed / 21:48 
蒲公英草紙―常野物語 (常野物語)蒲公英草紙―常野物語 (常野物語)
(2005/06)
恩田 陸

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  ★★★★★

 二十世紀を迎えようとしている明治時代の、福島にある「槙村」という集落で、ひとりの女の子の目から見たその頃の懐かしい日々が語られています。「蒲公英草紙」と名づけられたその日記に、村の医者の娘である峰子が、槙村家の生活やそこに滞在している人達の様子を淡々と綴っていくのです。

 恩田陸の静謐な文章が、当時の幸せだった日々を色鮮やかに思い出させてくれ、主人公峰子の郷愁に満ちた想いが読んでいるこちらにもひしひしと伝わってきます。

 副題に「常野物語」とついていますので『光の帝国』の続編かと思いましたが、この話のずっと前の、常野という不思議な力を持った一族に関わりのあるお屋敷のお嬢様の話でした。
不思議な力というと、どうしてもファンタジー色が出てきますが、この話の中ではそれが違和感なく自然に語られ、そして最後にはそれを感動話にもっていってくれたことに素晴らしさを感じます。

 この一冊でも充分に堪能できますので、恩田陸の良さが出ているこの作品を是非手に取っていただきたいと思います。

 おすすめです。
▽Open more.
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 このブログは「でこぽんの読書日記」のミラーサイトになります。感想文の保管庫ですね。読書通信となっていますがdollのほうがメインになるかと。なるべく多くの写真を載せていきたいと思います。画像をクリックしていただくと元の大きなサイズになります。
 それではどうぞよろしくお願いします。

 高速画像表示にするため、「広告あり」に設定しました。ちょっと邪魔ですがよろしくお願いします。2011/12/21

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 感想でいらした方は、カテゴリの[国内海外]の感想をクリックしていただくと日付順に表示されますので見やすいかと思います。
 でも最近は感想文は書いてないです。すみません。

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 カテゴリのところをちょっといじりました。
 ドールはmomoko、Misaki、Barbie、FRと分けて、それぞれの全記事が表示できるようにしました。少しは使い勝手がよくなったと思うのですが、どうでしょうか。2008/7/23

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 何かありましたらこちらまで。
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yokonetjp*yahoo.co.jp(*を@に変えてください。)

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 薔薇の黒背景は画像が綺麗に見えるので私も好きでしたが、やはりエントリ別に見るときは使い勝手が良くないようです。CSSを弄れるといいのですが、このレベルになるとさすがに勉強しないと無理なのでやめました。ずいぶん粘ってみたんですけどね。なので元に戻しました。またそのうち黒背景にすると思います。2008/09/24
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 そうそう。コメントは「OPEN▼」でも読めます。いちいち戻らなくてもいいので便利かもしれません。

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