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 島本理生 の記事一覧
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『クローバー』 島本理生 角川書店 
2007.12.01.Sat / 23:26 
クローバークローバー
(2007/11)
島本 理生

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  ★★★★

 めちゃくちゃ面白かった。最後の一行を読むまでは。

 ラストの一文でこの小説を平凡で詰まらないものにしてしまった。ああ、島本はなんで保身に走った終わり方を選択してしまったんだろう。どうも途中から言い訳めいた自分語りが多くなってきて嫌な予感がしたのだが、まさか本当に陳腐で夢のないものに変わってしまうとは思わなかった。だめだ、こりゃ。

 見た目がそっくりな男女の双子がいる。ただし性格が両極端というほどかけ離れているのだが。大学生ということもあり、親元から離れて、でも節約するためにいっしょに暮らしている二人である。ゴミ出しを押し付けあって蹴りを入れるところとか、メイクが濃すぎるのも厄介だ、いつ素の自分を見せたらいいのかわからないと言っているところとか、卵をぶつけて男と別れてきたところとか、愛だ恋だと騒いでいる二人の会話が、はたから見ると、掛け合い漫才のようで微笑ましくて羨ましい。そう、ここまではいいのだ。ここへ約一名が入り込んできたもんだから、この小説が色褪せてしまった。一体これはどうしてだろ。

 わたしはお行儀のよいものが読みたいのではない。だから、姉の華子の性格が好きだ。本音の言動にパワーがあって、わくわくしながら読めるからだ。反対に弟の彼女になった雪村さんがウザくて嫌いだった。言動が一致しないのもあるが、他人を振り回して迷惑をかけているのに、まるで自分を悲劇のヒロインのごとく思い込んでいるのが鬱陶しくてかなわない。とくに、野暮ったい彼女が誰もが振り返るような女性に変身したあたりから、会話に自己保身と転嫁が見えてきて白けてしまった。残念。

 でも途中までものすごく面白いので、お薦め。

 島本初の男性の語り手による一人称小説である。
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『大きな熊が来る前に、おやすみ。』 島本理生 新潮社 
2007.04.11.Wed / 09:56 
大きな熊が来る前に、おやすみ。 大きな熊が来る前に、おやすみ。
島本 理生 (2007/03)
新潮社
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  ★★★★★

 作者と同世代の話。うーん、とにかく文章が巧い。そして面白い。島本のこの世代の心情の描き方は舌を巻くしかない。
 
 若い女性の心情を読むのは、過ぎ去った日の懐かしいあれこれを思い出させてくれるので読んでいて掛け値なしに楽しい。たとえそれが共感できなかったり、歯がゆくてイライラすることはあっても。
 
 「大きな熊が来る前に、おやすみ。」は、知り合ってすぐに同棲を始めたカップルの話。父親の暴力に怯えて育った主人公が選んだ男は、なぜか亡き父親と同じように暴力を振るう男だった。お互いの存在がトラウマを刺激するのに離れられない二人。そんな恋人との関係を父親とダブらせながら描いていく。この屈折した気持ちがなんともぞわぞわと心を揺さぶられて、ついつい自分に置き換えて考え込んでしまう。まだ半年しかたってないのに、それでほんとに楽しいの? と思わず問いかけたくなるような日常。暴力を振われたりと、けっして手放しで幸せといえないのにどうして別れないのだろうかと。過去の父親の振る舞いに対する恐怖を乗り越えようとする主人公。ほんとに好きなの、という自問自答する危うさと、だけどちょっとした幸せが微妙なバランスで成り立っている話。澄んだ文体と繊細な空気の流れが感じられる秀作。
 この作品で芥川賞を落選とは……。
 
 「クロコダイルの午睡」は、どこまでもすれ違う二人の遣り取りが面白い。一見、ほのぼのとした関係でありながら、やっぱりね、という毒が盛り込まれているのがお見事。とことん嫌な男を描くのは、ほんとに巧い。
 
 「猫と君のとなり」 は、緩やかな幸せを描いた話。ちゃんとハッピーエンドで終わっていたので驚いてしまったのだが、途中の不安定な気持ちの揺れ具合がなんともいえない。
 
 お薦め。
『ナラタージュ』 島本理生 角川書店 
2005.04.13.Wed / 23:30 
ナラタージュナラタージュ
(2005/02/28)
島本 理生

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  ★★

 あちゃー。私が読むべき本じゃなかったですね。取り敢えず評価として、星二つ付けていますが、なんとも評価のしようのない本でした。

 元々恋愛モノは苦手ですし、私みたいなのが間違って手にして、間違った評価をしてはいけないので、避けていましたが、どうも世間は放っておいてくれないようで何やら絶賛の嵐で騒がしいのです。流行りモノには後れずにいたい私としましては、これは読まないわけにはいかないでしょう。

 島本理生ちゃんですか。21歳ですね。……う~ん。まあ、いいでしょう。

 文章はお上手ですね。好きではないですが。

 この歳でこの表現力はすごいですね。ですが、私はこれだけ書けるのよ、という捏ねくり回した表現がどうにもスッと頭の中に入ってこなくて物語のなかへ入っていけなかったというのが本音です。読解力がなくてすみませんね。純文学というのはこういうモノなのでしょうか。「~だった」というのが目に付いたのも、その理由ですね。

 まあ、こんなことは些細なことです。一番つまらなくしているのが、登場人物の性格です。よりによって全員が独りよがりの性格というのは、なんとかならなかったものでしょうか。まさに一言で言うなら「うざったい」です。

 妻帯者である卑怯な、というより莫迦で幼稚な葉山先生は言うに及ばず、いじいじと、はがゆいばかりのヒロイン工藤泉、押し付けがましくて俺様な小野君。全員嫌いです。

 これだけどうしようもない未熟な人間を登場させておきながら、また、これだけゆらゆら揺れ動く気持ちを書いていながら、物語の起伏がないというのも純文学では普通のことなんでしょうか。

 淡々としていると言えば聞こえがいいのですが、なんらこちら側に迫ってくるものがないというのは、読んでいてちっとも楽しくありません。エンタメではないので仕方がないのでしょうね。
そして、冷めた気持ちのまま終盤を迎えましたが、ここで友達の自殺という出来事が起こります。しかし、この自殺はこの小説に必要だったのでしょうか。ただのスパイスとして扱ったのであれば、首を傾げざるを得ません。

 ラストシーンが秀逸だっただけに、もう少し設定を考えて欲しかったなと思うばかりでした。

 恋愛小説は当分もういいです。
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