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2005年06月の記事一覧
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『子どもたちは夜と遊ぶ』 辻村深月 講談社 
2005.06.28.Tue / 12:59 
子どもたちは夜と遊ぶ(上)子どもたちは夜と遊ぶ(上)
(2005/05/10)
辻村 深月

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子どもたちは夜と遊ぶ (下)子どもたちは夜と遊ぶ (下)
(2005/05/10)
辻村 深月

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  ★★★★

 面白かったです。この作家好きなのでなんでも受け入れちゃいます。はい。

 すみませんね。今日は腰がとんでもなく痛いので感想が変です。あらすじも腰が痛くて面倒なので書きません。ま、一言でいうなら、女子大生悲恋殺人鬼事件でしょうか。ん?それで大丈夫か?

 上下巻二段組700頁以上ありますからね。もういつ読み終わるかと不安でしょうがなかったです。「上」を読んでいるときは、なんだかちっとも進展しなくて退屈だなあと思っていると巧い具合に所々ハッとする興味深いエピソードがあったりして、結構面白かったです。だけど「下」はもうなんとしてでも気合を入れて読まなければいつ読了となるかわからないという切羽詰った事情と、ぎっくり腰のような腰の痛さに泣きながら、ひぃひぃ言って読みました。
ところが「下」のほうは、少々もたついてなかなか進まなかった「上」が嘘のように、いきなり面白くなってきて、あっという間に読み終えることができました。やれやれ。

 でも、ミステリを読んでいるというより、人間関係の難しさを心理描写たっぷりと延々と読まされるという感じですか。

 大学生と院生の話ですが、まるで女子高のノリで、友達付き合いの大変さを妙に細かく書いてくれてます。

 ええ、萌えました。懐かしかったです。

 こういう話は涎が出るくらいに(夢中で読むと自然と口が開いてくるのですよ)大好きなのでわくわくしましたね。

 ところでヒロイン月子ですが、いかにも優等生タイプの子で、作者としてはちょっと変わった設定をしてるつもりでしょうが、それが完全に滑っていて周りの男子からちやほやされているだけ面白味のない女の子でした。他の女の子も似たり寄ったりで、作者はこういう女の子が好きなのねと思わずにはいられませんでしたね。

 それに比べてただ一人でしたが、紫乃という自分勝手で妄想癖の困ったチャンがこの小説のスパイスになっていて面白かったです。でも人物の内面を書くのが非常に巧いので、この次は女子高のぐちゃぐちゃした人間関係を書いてほしいものです。

 ミステリについても一応書いておきましょうか。
 ネタは面白いです。
 倒叙になっていますので殺人者の視点で書かれているところは成る程と思うところもあるのですが、如何せん説得力に欠けます。もちろん犯人に同情するところもありますが、ただこんな理由で次々と殺人を犯すかなあというのがついて回ってラストが心配でした。が、真相が判って少しビックリでしたね。それと共に妙に納得してしまいました。

 ところで、C大というのは千葉大ですね。ここの「飛び入学」には以前から興味があったのですが、この制度について誰でも同じように考えてるというのが分かって面白かったです。作者は身近なネタを書くのが好きなようですね。教育学部もそうでしたし。

 まあ、いろいろ楽しませてもらいました。面白かったです。ああ、腰が痛い。
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『誰のための綾織』 飛鳥部勝則 原書房 
2005.06.17.Fri / 03:54 
誰のための綾織誰のための綾織
(2005/05)
飛鳥部 勝則

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  ★★★

 これはアンフェアなのか。思いっきり騙されたというべきなのか。う~ん、なんともいえない気持ちですね。

 山本タカト氏の耽美的なイラストが素敵なのですが、よく見ると樹木から少女が半身を乗り出しているし、その横でギョロリとした目がその少女を睨んでいる、なんともエロティックな表紙なのです。

 さて、プロローグで作家飛鳥部は編集者と推理小説の禁じ手について議論しています。この辺りですでに読者を煙に巻いていますね。そして何故か新潟県中越地震のときの恐ろしい体験談を語ったあと、この前送った自分の教え子の原稿の出来はどうかと尋ねるのです。編集者は、あれはある意味ノンフィクションであるし出版するには色々と難しい点があるという。その作品には、“蛭女”という禍々しいタイトルが付けられており、教え子の鹿取モネが暫定稿とした本格推理小説でした。その作品を読者はこれから読むことになります。

 つまり全編のほとんどが作中作で占められているのです。プロローグの会話からこれはメタ構造なのかなと思いながら、また最近は叙述ものが流行っているので、もう騙されないぞと何気に気合を入れながら読んでいきました。

 新潟地震のあった夜、鹿取モネとその友人たちは、女教師と共に拉致され、本土から離れた孤島に監禁されることになります。島には、彼女達が以前「蛭女」として苛め、自殺させた三識瞳の父親と兄、そして大男の老人が待っていたのです。自分たちが何故こんな目に合うのか理解出来ないという思いの中で、次々と不可解な殺人が起こっていきます。

 初飛鳥部作品なので、この作品に対してどうのこうの言う資格はないのですが、女子高生が書いた作品ということで興味深い記述があるものの、わかりづらかったり読みにくいところもあったというのも事実です。またトリックについてはこれが「禁じ手」であるのかどうかもわからないためパスします。ただ全編に流れるおぞましいまでの描写やエロさ加減が絶妙で、サスペンスや謎を盛り込んでくれたミステリとして非常に楽しむことができました。
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『エルの終わらない夏』 関田涙 講談社 
2005.06.09.Thu / 14:41 
エルの終わらない夏エルの終わらない夏
(2005/06/07)
関田 涙

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  ★★★★★

 こんなに切ないのにこんなに涙が溢れるのにハッピーエンドと思うのは初めてかもしれない。

 読み終わって第一章の「エルの呼ぶ世界」に戻ってみました。プラットホームに降り立ったなんの変哲もない夏の眩しい描写。初読とは一転して景色は瞬く間に色づきはじめます。そして、これから17歳の荏瑠(エル)の終わらない夏が始まると思うと涙が溢れてきて字が霞んでしまいます。

 下手をすると地味にしかならないかもしれない押さえた筆致。その静謐な文章が荏瑠の孤独を浮かび上がらせ、世界はこんなにも美しいものだと気づかせてくれます。

 ネタが分かりトリックが分かっても、その一歩も二歩も先をいっていた世界です。17年前に起こった殺人現場からの父の失踪。それからもっと過去に遡れば母が5歳のときに起こった祖父母の殺された事件。そして現在もまた荏瑠の周りで起こる事件。それらが、時を越えて繋がっていきます。

 荏瑠の前にときどき現れる謎の少女・ウラニア。背丈も年齢も同じくらいで、顔の輪郭も似通っている不思議な少女。明るくてとろけるような双眸を持ち、荏瑠とは正反対の明るい性格を持ったこの少女は一体どんな目的で荏瑠の前に現れたのでしょうか。その意味するところはなんでしょうか。

 地味な荏瑠とは違って、ウラニアの軽やかなお喋りは、この作品を少しだけ華やいだものにしてくれます。そうそう、もう一人いましたね。高校1年の和倉誠です。誠といえばヴィッキーシリーズの主役(?)ですね。同じ名前ですが、その誠と関連があるかは読んでからのお楽しみです。性格も明るくてちょっとイイ感じなのです。私は『刹那の魔女の冒険』の最後に載っている「プロローグ」のラストを思い出して嬉しくなってしまいました。そういえば関田さんの構想ん?年の洋菓子も出てきました。ああ、これだったのですね。

 なんだか纏まりのない感想になってしまいましたが、とにかく素敵な作品です。今回は前三作とは随分感じが違っていて、本格や新本格を期待される方にとっては、首が傾くかもしれませんが、それでもそんなことなんか関係ないくらいに面白くすいすい読めますし、なにより作品の雰囲気が抜群に良いです。これを書いている間も思い出しては涙がこぼれそうになるくらいですから。そして再読する楽しみが待っていますね。

 お薦めです。
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『扉は閉ざされたまま』 石持浅海 祥伝社 
2005.06.02.Thu / 14:37 
扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)
(2005/05)
石持 浅海

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  ★★★★

 本書を開くと、いきなり殺人の犯行場面。犯人の視点で語られます。最初から犯人がわかっているという、いわゆる倒叙ものですね。

 伏見亮輔は部屋に入りドアに鍵をかけ、熟睡している新山の頭を浴槽に沈め、両手で押さえつけて殺す。浴槽を湯で満たし、服を脱がせて浴槽から足がでるようして入れる。これで薬を飲んだあと入浴しようとして誤って死んだ男が出来上がった。室内を点検してドアストッパーと施錠して部屋を後にする。

 密室殺人の完了。

 おお。これは端整なロジックに満ちた良い作品。

 石持さんの『月の扉』が大好きな方が読まれると涎ものだと思います。特殊な事情で犯行に及ぶというのは『月の扉』でもそうでしたが、今回の動機も普通の人だったら考えもしないだろうというもの。言い換えれば、そんな理由で殺しちゃうのっていう、犯行動機が弱すぎるのですね。だからといってそれが悪いというのではなくて寧ろよく考えられた設定であり、なぜドアストッパーまでして密室状態にしなければいけなかったのか、ということに繋がっていきます。動機については賛否両論があるでしょうが、伏線もきっちりとしたこの作品ならではの設定でしたので、高く評価したいと思います。

 大学の同窓会でペンションに集まった6人の仲間。起きてこない新山を、彼らは事故か急病かとその安否を気遣う。そんな中でひとり碓氷優佳だけが疑問を抱くのです。彼女は伏見がかつて夢中になった女性。賢くて、冷静で、物事に動じない、だけど冷たい、伏見とは似て非なる人物です。成功したかにみえた伏見の偽装工作をことごとく破っていきます。読者は論理に破綻がないか、優佳と一緒になって検証していくことになります。現場を見ることなく論理だけで伏見の矛盾点をついてくる頭脳合戦は、この本の醍醐味です。

 「扉は閉ざされたまま」という意味が、また動機がラストで説明されますが、伏線がしっかり描かれているため納得いく理由でした。派手な場面はないのですが、静かな緊張感が持続した良質の本格ミステリでした。

 面白かったのですが、探偵役の碓氷優佳が無気味(絶対友達になりたくない。怖いよ~)だったのと、ラストで伏見の行く末が気に入らなかったので、星の数を減らしました。

 優佳のことでもっと言えば、女性はもともと論理的思考が苦手なのですが、というよりほとんどの人が出来ませんが、優佳のようにこれほど論理的思考をもった頭脳明晰な女性が、好きだというだけでそんな独りよがりの感情を相手の迷惑も考えずにぶつけたりはしないのではないでしょうか。

 あと、これも蛇足なのですが、動線については誰もが考えることなので、というより家庭科で習ったことなので、失敗するというのは変なのです。ん?男性は習わなかったのかしら。

 とにかく面白かったです。
▽Open more.
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 高速画像表示にするため、「広告あり」に設定しました。ちょっと邪魔ですがよろしくお願いします。2011/12/21

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 薔薇の黒背景は画像が綺麗に見えるので私も好きでしたが、やはりエントリ別に見るときは使い勝手が良くないようです。CSSを弄れるといいのですが、このレベルになるとさすがに勉強しないと無理なのでやめました。ずいぶん粘ってみたんですけどね。なので元に戻しました。またそのうち黒背景にすると思います。2008/09/24
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 そうそう。コメントは「OPEN▼」でも読めます。いちいち戻らなくてもいいので便利かもしれません。

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