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2006年03月の記事一覧
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『終末のフール』 伊坂幸太郎 集英社 
2006.03.26.Sun / 20:16 
終末のフール終末のフール
(2006/03)
伊坂 幸太郎

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  ★★★★★

 もう大好き。理屈じゃなく好き。

 隕石の衝突で地球のタイムリミットが近づいてきている。そんな中でのいろんな年代の人たちの物語。「生き方」というテーマにも考えさせられたけど、なにより普通の人たちの淡々とした語りに熱くなってしまった。

 もともと私は伊坂幸太郎に思い入れはない。どちらかと言えば苦手な部類に入る作家です。インタビューなんかを読むと、とても好感がもてるし、コラムなどは大好きだ。だけどこれが小説となると、とたんに居心地が悪くなってしまうのです。変に構えた作りすぎた文章に、ついには嫌悪感さえ抱いてしまうのです。

 ところが、この『終末のフール』はそういうところが全くなく、リズムに凝ったり、特殊な言い回しをするところがなかった。あくまで自然体だし普通の文体であったため、とても心地よく読めたのでした。それにやっぱり伊坂独特の遊びがあってとても楽しい。ちょっとずつリンクしている物語はそれだけで短篇連作集として奥行きがでて、にやりとしてしまう。

 ここからは全くのファンレターになってしまうのだが、この作品を読めて本当に良かった。読んでる最中こんなに幸せな気分になったのは久しい。ほのぼのとしたり、ああ、いいなあと胸が熱くなったり。嬉しくて嬉しくて泣いちゃったり。それはもう幸せな読書でした。

 各年代の多くの方にお薦めいたします。

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 こちらが『終末のフール』の特集サイトです。
 http://www.shueisha.co.jp/hillstown/
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『チョコレートコスモス』 恩田陸 毎日新聞社 
2006.03.20.Mon / 21:35 
チョコレートコスモスチョコレートコスモス
(2006/03/15)
恩田 陸

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  ★★★★★

 これは傑作です。

 素晴らしすぎて星5つでは足りないくらいです。星10個くらいあげたい。それくらい凄い作品です。

 今回は、異界の話でも超能力の話もファンタジーでもありません。少女マンガに見られるような大河演劇小説です。恩田版「ガラスの仮面」といわれたこの作品。正直申し上げてそれほど期待していたわけではありません。ところが、少女がたたずむ美しい冒頭シーンでめろめろにされ、心は一気にめくるめく本の世界に引き込まれていきました。

 私は「ガラスの仮面」のファンです。ですので、読み始めてすぐに誰がどのキャラクターなのかすぐに判りましたし、エピソードも話の展開も、ああこれはあの場面ね、といった具合に先が見えてしまうのです。が、それでも恩田陸の手にかかると、こんなにも興奮する場面に変わるんだと驚嘆してしまったのです。

 冒頭の掴み、プロットの緻密さ、キャラクターの魅力、熱い展開。どれを取っても素晴らしいです。
 
 読んでいる最中、あまりの凄さに鳥肌が立ち、背中からぞわぞわしてきて、舞台を観る観客と一体になって食い入るように本の世界に引き込まれていきました。

 まさに怒涛の500頁。いったん読み出すとそこには華麗な演劇バトルが待っていました。一人の目立たない少女が舞台に立つ。それは一見なんでもないようですが、W大に入学して間もない、演劇経験のまったくない彼女が、いかにして演劇に目覚め、有名なオーディションに臨むことになるのか。読み出すと、演劇の世界にどっぷりはまっていました。

 「ガラスの仮面」を読んだことがない人も、演劇を観たことがない人も、どうぞ恩田陸渾身の力作、この演劇作品を堪能してください。
 
 おすすめです。

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『一角獣・多角獣』 シオドア・スタージョン/小笠原豊樹訳 早川書房 
2006.03.09.Thu / 00:48 
一角獣・多角獣 一角獣・多角獣
シオドア スタージョン (2005/11)
早川書房
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 異色作家短篇集のうちでもレア本であったスタージョンの短篇集。さすがに騒がれているだけあって中身の奇抜さには度肝を抜かれてしまった。まさに「異色」です。

 全篇初読です。面白いと聞いていたが、内容に関しては先入観なしで読んだせいか、あるいは文章との相性のせいか、とっつき悪くて参ってしまった。

 名作と誉れ高い「孤独の円盤」は、たぶん何度も読み返さなくてはその良さはわからないのではないだろうか。少し流した感があって、私にとってはわからない作品になってしまった。申し訳ない。同じようにシジジイ(syzygy)シリーズの「めぐりあい」も、意味不明だった。しかし、「めぐりあい」の解説篇ともいうべき「反対側のセックス」は、驚くべき内容に反して甘い雰囲気に酔ってしまった。

 「熊人形」は、可愛らしい題名からは想像もつかない不気味さがあった。一種のホラーなのだろうが、子供と組み合わさると、気持ちの悪さが倍増してしまうから不思議だ。ところがこれが非常に面白い。

 だんだんとスタージョンの異色さが際立ってきて、強烈な印象を残すものが多くなる。ひたひたとした狂気を描いた「死ね、名演奏家、死ね」。タイトルにも引っくり返りそうになったが、狂気のおかしさも只者ではなかった。「監房ともだち」は、異形の驚きのなかにも行動心理の可笑しさがあって、笑ってしまう。

 ここまでくると、スタージョンのイメージが掴めてくるのだが、その最大のものが巻末の「考え方」である。可笑しさと哀しみでしんみりしてきたと思ったら、最後で叩き落とされてしまった。ラストのオチの衝撃度は文句なく一番。

 とまあ、スタージョンの奇怪さに慄いてしまった口だが、やはり一番好きだったのは初めのほうに出てきた「ビアンカの手」です。ぷくぷくした可愛らしい手というものを本当に知っているので、ドキドキして読みましたね。

 非常に面白い短篇集でした。
『忘れないと誓ったぼくがいた』 平山瑞穂 新潮社 
2006.03.06.Mon / 10:18 
忘れないと誓ったぼくがいた忘れないと誓ったぼくがいた
(2006/02/20)
平山 瑞穂

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  ★★★☆

 ワスチカ読みました。

 淡いセピア色をした恋愛ふぁんたじぃでした。

 高校生の「ぼく」は、かつて素敵な恋愛をしたことがあったことを知っている。記録は、ノートと一本のDVCにあった。だけどそれは「ぼく」の中では失われ、記憶として残ってはいなかった。だけど「ぼく」は、記録だけを頼りに淡々と私たちに語ってくれる、そういう物語です。

 だんだんと思い出せなくなってくる彼女を「忘れない」ないために必死で努力していく姿は、ある小説を思い出すのですが、健忘症とは程遠い若者であるため切なさが込み上げてきます。底にあるのは難病ものだし、ついでに超自然的な要素を含まれていて、得てして現実離れした違和感だけが残ってしまうものですが、不合理で忌まわしい現象をロマンティックなもので包み込み、心もとない気持ちを平易な文体で表してくれているため、するっと心の中に入り込んできます。
『厭魅の如き憑くもの』 三津田信三  原書房 
2006.03.05.Sun / 02:13 
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三津田 信三 (2006/02)
原書房
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 横溝正史ワールドを少々リズム音痴にしたものに、恩田陸の『ユージニア』のラストのごとき素敵に不気味な余韻を残している作品。か~な~り苦労して読んだせいか、読後は達成感でいっぱいでした。結構満足。

 憑き物信仰に興味のある「僕」が因習に閉ざされた村で起こった連続怪死事件の謎を追っていく話。

 民俗ホラーに判じ物が加わり、謎が混沌としていく。本格ミステリとして謎解きをしようにも、前半のホラーじみた描写が強烈に面白すぎて、己の思考を遮ってしまっているかと。なるほど作者の術中に嵌ってしまうということは、こういうことをいうのだと、心地よい悔しさを覚えてしまった。

 民俗学がテーマにあるので、その薀蓄がちょくちょく顔を出しているせいか、なかなか真相に近づけない。この辺りは興味のある方は楽しくてしょうがないんだろうけど、もしかして退屈に感じられる方もいるかもしれない。私はまあ、結構愉しめましたが。

 真相は予想圏内。仕掛けや伏線は丁寧に作られているのだが、あまりにも凝っているため、時系列に読み取っていくのは骨が折れる。しかしこの緻密さはすごい。まあ、だから最後の犯人探しは、ただの勘ですが。だけど、勘を働かせられる作り方をしてくれているというのは嬉しい。村の異様なおどろおどろしさに動機がすんなり溶け込み、不思議な雰囲気を醸し出していて非常に面白かったです。

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