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2006年08月の記事一覧
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FR Nippon Misaki第三弾です。 
2006.08.28.Mon / 20:50 
 8/26(土)から発送が始まっています。わたしのところには昨日(8/27)届きました。箱はびっくり、白い缶になっていました。わくわくして開けてびっくり。ものすごく可愛かったです。あんまり可愛かったので箱出しの前に記念撮影です。撮りなおしたら消すかもしれませんがとりあえず記念に。

 クリックしていただくと大きな画像になります。 
 FR Nippon Misaki ベスト イン ブロケード
 ベスト イン ブロケード

 FR Nippon Misaki オータム シャンパン
 オータム シャンパン

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『草にすわる』 白石一文 光文社 
2006.08.27.Sun / 20:39 
草にすわる (光文社文庫)草にすわる (光文社文庫)
(2006/06/13)
白石 一文

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 ときどき、人はいかに生きていくべきか、ということをふと考えてみることがある。それは優れた小説を読んだときに、しばしば胸によぎるものではないだろうか。
 
 白石一文の小説を読んでいると、いやでもそれが起こる。もともと白石は「生きる」ということを一貫してテーマに掲げているのでそれは当たり前のことなのだが、とくに今回本書に収められた三篇には心を揺さぶられてしまった。


 「草にすわる」
 
 日々何気なく生きているわたしに、生きるとはどういうことなのかを甘やかに優しく教えてくれた小説だった。といっても、この小説が甘い言葉で綴られているわけではない。病気で職を失い毎日だらだらと無為に過ごしている三十歳になろうかという男の話である。気が滅入りそうな話であっても、明るい話のはずがない。ところが、この鬱々とした語りに引き込まれていくのである。
 
 五年間は仕事をしないと決めた主人公の洪治。だが、三年半も怠惰な生活を続けていけば、さすがに将来のことが不安になるのは仕方がない。貴重な時間は欠落していき、毎日は曖昧となり、閉塞感だけが増してゆくのである。となれば、生きている意味もなくなってしまう。肌を合わすだけの都合の良い女性と成り行きのように自殺未遂を起こしてしまうのも必然のようにも思える。
 
 ところが、ここから白石の本領が発揮されるのだ。出色の出来栄えとなっている。微かな風が吹いて、さやさやと福寿草が揺れている草地の場面。洪治が座り込んでいると、突然激しい感情が胸に沸き起こって、俺は、どうしてあんな馬鹿なことをしてしまったんだろう、と覚醒するのだった。
 
 生きていれば誰だって、もう嫌だと思うはよくあることだし、心底嫌になることの一つや二つくらい軽く思い浮かべることができるだろう。第一、自分の思うとおりの人生を送れる人なんて、どこを探せばいるんだろう。死ぬ理由がなければ、いや死ぬしかないような切羽詰った理由があったとしても、人は生きていくしかないのである。洪治が言っていることはそういうことなのである。そしてそこに共感するのだった。
  平和な日本にあって、どこの世界よりも恵まれた立場にある者が、そんなことを考えること自体、傲慢なことでしかない。だがしかし、人間というものは贅沢にできているものなので、こんなことを考えている自分自身がなんだか不憫で可哀そうになってくるのだからしょうがない。そして、もっともっと幸せになりたいと思うのだからしょうがない。というようなことを、つらつらと考えることができるということはなんて幸せなことなんだろう、と胸の中が暖かくなる幸福な読書であった。

 
 他二編を簡単に。大変面白かったです。

 「砂の城」
 
 主人公は63歳になる文学界の大御所。ここ数年は世界的文学賞の候補にもなっているという男である。過去の華々しい栄光があっても、年老いて一人になった彼がふと考えることは、生きるとはどういうことなのか。それは、生まれてきた誰もが考えることであろう。と、こんな寂寥感を覚えたとき、まだ幼児である孫と出会うのである。抱いてみると、遠い記憶が甦ってきて暖かい気持ちになる彼だった。
 
 やはりこれも覚醒の物語である。
 
 文学界では成功しても、私生活ではそれほど恵まれた人生ではなかった彼。容姿に自信がなかったということに端を発しているようだが、ただ単に女性に恵まれなかったというだけではなくて、やはり人との間合いの取り方がうまく出来なかったというのが一番の不幸なのではないだろうか。
 
 過去を振り返り己の文学を通して考えることは多々あるが、結局のところ一番大事なことはとてもシンプルなことであり、それは「生きることそのものの真の祝福」ということなのだろう。


 「花束」
 
 中央経済新聞のスター記者であり、金融業界で知らぬ者がない辣腕家である本郷幸太郎、35歳。その彼から引き抜かれて相棒となり、経済紙としては世紀のスクープを狙う主人公の「ぼく」、30歳。大蔵のシナリオで描かれた大蔵の管理銀行との合併は許さねえ、とばかりに叩き潰すつもりでネタを掴んでいく。とまあ、こういう経済の裏話は社会問題として興味深く読んだのだが、やはりこの話の面白さは人生に対する二人の考え方に尽きる。
 
 花形職業であれ、またそのスター記者として人も羨む人生を送っているような者でも、実際のところ本当に幸せかどうかはうかがい知れるところではないのだ。また他人がどうこう言うものでもないのだ。

 愛人とか不倫とか、いつもそういうややこしい関係を出してきて人生を面倒なものにしている白石であるが、「もしも自分なら」と考える機会を与えてくれる小説は、やはり面白い。

『絲的メイソウ』 絲山秋子 講談社 
2006.08.21.Mon / 20:34 
絲的メイソウ絲的メイソウ
(2006/07/22)
絲山 秋子

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 こんちくしょう。さすが絲山秋子。面白すぎる。
 
 エッセイなんて好きでもなければ好んで読むものではないと常々思っているわたしだが、抜群の文章力を持つ絲山となれば好奇心も沸いてくるというものだ。
 好きな作家の日常を知るのはいつだって楽しい。それが卓越したしっとりとした文章を書く作家となれば普段何を考えて生活しているのか知りたいと思うのは当然だろう。美しい作品や面白い作品もあるが、変態小説も書く絲山秋子ならさぞかしさばけた日常を送っていたんじゃないかと思うのはこれまたしかり。
 
 とにかく言葉の一つ一つが嫉妬するぐらい過激で面白い。総合職の営業をしていたときの話から最近の恋の話まで話題はつきることがない。そのどれもが爆笑につぐ爆笑なのだ。そしてそのどれもにいちいち肯いてしまう。だからといって、ここまでわたしは変人じゃない。と、思う。奇人変人、結構なことじゃないか。こんな迷走っぷりなら大歓迎だ。
 
 これまで遥か昔、小学生の頃から、でこぽんちゃんって、変よねー、と言われ続けてきたわたしにして絲山秋子の変人っぷりには腰が引けそうになったのだが、彼女のビシっとした男気あふれる気風の良さには喝采を送りたい。心の中で絲山秋子サイコーと叫んだのはわたしだけではないだろう。
 
 オススメ。
『行方不明者』 折原一 文芸春秋 
2006.08.19.Sat / 20:29 
行方不明者行方不明者
(2006/08)
折原 一

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  ★★

 ネットができなくなってヤケクソで購入した本書である。いやいやそれは失礼というものであろう。最近の折原作品は、けちな私が必ず購入している本のうちの一つである。惹句が振るっている。


ある朝、一家は忽然と消えた。
闇よりも深い、黒い沼のほとりで――
名作『沈黙者』から5年。
実際の事件に材をとった
「――者」シリーズ待望の最新作は、
現代ミステリーの最高峰!

 
 「現代ミステリーの最高峰!」ってか。かあー。なんか言いたい放題だな。だけど折原だしな。
そして裏の帯がこれまたものすごく魅力的なんですよ。


  埼玉県蓮田市で、ある朝、一家四人が忽然と姿を消した。
炊きたてのごはんやみそ汁、おかずを食卓に載せたまま……。
  両親と娘、その祖母は、いったいどこへ消えたのか?
  女性ライター・五十嵐みどりは、関係者の取材をつうじて
      家族の闇を浮き彫りにしてゆく――。
  一方、戸田市内では謎の連続通り魔事件が発生していた。
  たまたま事件に遭遇した売れない推理作家の「僕」は、
自作のモデルにするため容疑者の尾行を開始するのだが――。

 
 ねねね。こんな巧いキャッチを書かれたら購入するしかないっしょ。
 
 プロローグの「白い靄」で、折原定番の叙述ミステリーの匂いがぷんぷんする。だけどなんのこっちゃわからないいかにもな始まり。と一転、一家四人が忽然と姿を消したという事件が提示され、推理小説家の「僕」が事件を追っていく。
 
 炊きたてのごはんやみそ汁とおかずを食卓に載せたまま、消えた。という情景が素晴らしい。まさに物語の不穏さを象徴している。読者のあずかり知らぬところでとんでもないことが起こっているのでは、といった事件性の残虐さが暗示されて、いやがうえにも期待は高まるのだ。
 
 だが、蓮田市と戸田市を行きつ戻りつしながらの情景描写は繰り返しあるものの、肝心の当事者の背景、及び心の闇のようなものが描かれてないため、まるで砂を噛むような虚しさだけが残ってしまう。ミステリーだから、というのでロジックが破綻しなければ良いというのではないだろうが、やはり事件であれば、そこに至る人間関係などを描いてくれないと楽しめない。そうでなければ女性ライターの役割も必要ないだろうし、家族の闇なんていう意味深な言葉も無用だろう。
 
 折原お得意の「僕」という一人称を出してきているので、たぶんこの男が事件に関わっているのだろうと予測をしながら読むのだが、残念ながらその作業自体はそれほど面白いとは感じられなかった。きっと魅力的な人物ではないというところが大きかったのだろう。途中から粘着質でストーカーまがいの行動が癇に障ったのがまずかったのだな。きっと。
 
 あっ、と真相ですか?ああそれはですね、「なんじゃこりゃ」で終わりました。つまんねー。
『受命 Calling』 帚木蓬生 角川書店 
2006.08.18.Fri / 20:20 
受命―Calling受命―Calling
(2006/07)
帚木 蓬生

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 『受精』の続編。と言っても、わたしは読んでないのでストーリーがどう繋がっているのかはわからないのだが。帚木蓬生と聞いただけで真っ先に読みたくなるのはいつものこと。長編は安定しているし、最近なにかとお騒がせな北朝鮮が舞台とあっては期待せずにはいられない。タイトルの「受命」という文字から連想して医療ミステリーなのかと思っていたのだが、北朝鮮が絡んできてるとあっては、やはりそんな単純な話ではなかった。「天命を聞くのが受命(コーリング)です」という使命のもとに、現指導者に対して、予想していたよりもとんでもない展開になっていたのには驚いた。
 超一級の国際サスペンス、を意識して書かれたかどうかわからないが、帚木蓬生にスピード感を求めることはないし、冒険小説を読んでいるつもりもないので、このそっけないほどの心理描写がいっそ清々しくて良い。心情を抑え、淡々とした描写から吐き出される登場人物の吐露が、この作品に一層の緊張感をもたせているのは間違いないだろう。

 『受精』で登場した津村、舞子、寛順(カンスン)に加え、寛順の亡くなった恋人の弟・東源(ドン・ウオン)の四人。それが彼らの運命のなせる業なのか、偶然にも同時期に北朝鮮に入国、潜入。津村は先進の生殖・再生医療の臨床と研究指導を依頼されて平壌産院に。北園舞子は在日朝鮮人の平山会長のお供で万景峰(マンギョンボン)号で平壌入り。寛順と東源は脱北した韓国人実業家から極秘使命を受けて密入国する。と、そんな彼らが後半、一本の糸として繋がる。今までののんびりした観光旅行気分も一転してサスペンスフルな出来事になるのだが、じつはそれほど驚くものではない。

 それより、この10年間、現指導者が行ってきた傍若無人な振る舞い、あるいは自己中心的な思考に驚嘆せざるを得ない。また、北朝鮮の風景や生活情景にも大いに目を奪われた。津村の眼を通して見る平壌の街の様子や、田舎の風景はまるで見てきたよう生き生き描かれている。そんな北朝鮮の生活情景は、今まで漠然と考えていた以上の危機感と絶望しかなく、哀しみが胸に広がってゆくのである。国民は飢えて餓死し、軍自体も現指導者の私兵になり下がった、とんでもない国、北朝鮮。その北朝鮮の深層を抉り出してくれているのがこの作品である。

 序盤、中国から川向こうを眺めながら、津村の旧友、車世奉(チャ・セボン)が言います。


 少しでも畑を作ろうとして、木を切り続けた結果があれです。北朝鮮のなだらかな山はたいていあの姿になっています。考えてもみて下さい。山を開墾したからといって、おいそれと米や麦、野菜ができるわけはありません。水と肥料がいります。あの国では肥料など供給されません。肥料工場の操業がとまっているからです。原料不足と電気不足が原因です。水も、灌漑施設はおろか棚田にもしていないので、降った雨は山肌の表土を削っていくだけです。


 
 津村は車世奉に背中を押されて北朝鮮に行くことを決意します。北朝鮮という国がどういう国であるのか、私たちは知る義務があります。
 津村や舞子、あるいは脱北者、在日朝鮮人、韓国人、北朝鮮といった様々な人間が北朝鮮に対して感じて言っていることは、立場が違って見えるものが違っていても、個人が「ふつう」に生きていくことの難しさと大切さを教えてくれます。それを知るだけでもこの小説を読む価値はあります。
 お薦めします。
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 それではどうぞよろしくお願いします。

 高速画像表示にするため、「広告あり」に設定しました。ちょっと邪魔ですがよろしくお願いします。2011/12/21

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 でも最近は感想文は書いてないです。すみません。

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 カテゴリのところをちょっといじりました。
 ドールはmomoko、Misaki、Barbie、FRと分けて、それぞれの全記事が表示できるようにしました。少しは使い勝手がよくなったと思うのですが、どうでしょうか。2008/7/23

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 何かありましたらこちらまで。
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yokonetjp*yahoo.co.jp(*を@に変えてください。)

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 薔薇の黒背景は画像が綺麗に見えるので私も好きでしたが、やはりエントリ別に見るときは使い勝手が良くないようです。CSSを弄れるといいのですが、このレベルになるとさすがに勉強しないと無理なのでやめました。ずいぶん粘ってみたんですけどね。なので元に戻しました。またそのうち黒背景にすると思います。2008/09/24
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 そうそう。コメントは「OPEN▼」でも読めます。いちいち戻らなくてもいいので便利かもしれません。

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