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2007年04月の記事一覧
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『朝日のようにさわやかに』 恩田陸 新潮社 
2007.04.28.Sat / 21:24 
朝日のようにさわやかに朝日のようにさわやかに
(2007/03)
恩田 陸

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  ★★★★

 ショート・ショートを含む14編からなる短編集。いろいろと違った種類のものが味わえてお得な作品集。その分、統一感に欠けているかも。好きだった作品について一言コメントを。

 「冷凍みかん」
 この作品は特に印象が強い。「冷凍みかんを凍らせたまま安全な場所に」という言葉を残して死んだ老人。冷凍みかんで思い浮かべるのは、旅。逆に、旅に出るときにしか食べないもののように思うのだが、田舎の寂れた店に置いてあるアイスボックの底に、もしこれを見かけたら…。なんて思うと楽しい。

 「いいわけ」
 「今朝はとてもいい天気だったからねえ」それでこんなことをしでかすのは…。発想がとても愉快。巧いなあ。ところでモデルは誰?

 「おはなしのつづき」
 これも好き。どういった状況での話なのか、しだいに分かってくるのだが、口調が軽やかなだけにずどんとくるオチにはやられてしまう。

 「淋しいお城」
 この世の中で「淋しい」ことくらいいけないことはない。「みどりおとこ」は淋しい子供をさらっていく。メルヘンチックだけど、そこにあるのは恐怖。「ミステリーランド」の予告編として書いたものらしいが是非とも本編を読みたい。

 「卒業」
 スプラッタ・ホラー。たった二十枚の中にあるのは、どこをとってもぞくぞくするほどの恐怖。是非長編で読みたい。
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BFMC レッド ホット レビューがきました。 
2007.04.24.Tue / 21:01 
バービー ファッション モデル コレクション レッド ホット レビュー K7918 (ゴールドラベル) バービー ファッション モデル コレクション レッド ホット レビュー K7918 (ゴールドラベル)
(2007/04/20)
マテル
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 とりあえず、これ。
 うーん。見るからになかなか豪華な感じ。期待大。
レッドホットレビュー

 さて、箱出しです。
 続きからどうぞ~。
▽Open more.
『窮鼠はチーズの夢を見る』 水城せとな 小学館クリエイティブ  
2007.04.21.Sat / 21:29 
窮鼠はチーズの夢を見る    ジュディーコミックス

窮鼠はチーズの夢を見る ジュディーコミックス
水城せとな

小学館クリエイティブ 2006-01-26

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  ★★★★★

 最近、BL本に対するアンテナがめっきり錆びてしまって、何が面白いのやらまったくわからなくなってしまっていた。それというのも、男×男という未知なる関係も大概パターンが出尽くされてしまって、そんじょそこらのBL本では満足できなくなってきたからだ。あれほど来る日も来る日もBL三昧だったのに、もうBL本に感情を揺さぶられることはないのではなかろか。男同士にドリームを見ることはないのか。一抹の寂しさを感じてしまうが致し方ない。と、そんなことをつらつら思っていたわたしだったが、いやいやいや、やはり世間は広かった。ぐおおおっと、胸のうちから湧き出るような感情を持ってしまう漫画が出ていたのである。知らなかったよ、おれ。

  「男とセックスするのは、怖いですか…?」

 うむむ。思わず唸ってしまったじゃないか。なんとまあ凄いあおり文句じゃあるまいか。これを見て即座にドキドキと変な汗をかかない奴は腐女子を名乗る資格はないだろう。

 作者は水城せとな。十年以上前に『同棲愛』という漫画で、あっちにふらふらこっちにふらふらと、ゆるい男同士の漫画を発表していた方である。古典的なコマ割りだけどしっかりしたデッサン力とともに男同士のチョットいい話を優先的に描いてきた方である。最近は、「フラワーコミックス」で活躍しているようだが、こちらのほうは興味がないので知らない。その水城せとな先生がオトナな読者(オバさんとも言う)のために激エロのラブストーリーを描いてくれていた。生きててよかったよ、おれ。

 主人公はノンケのどうしようもないヘタレな奴。優柔不断な性格が災いするのか、女性から迫られるとつい流されて浮気やら不倫やらをしでかしてしまう。そんな彼の前に、ある日妻から依頼された浮気調査員として大学の後輩が現れた。妻には伝えない代償として求めてきたのは、金ではなく「貴方のカラダと引き換えで」という信じられないものだった。

 ま、こういう展開はさまざまなところで語りつくされてきたので今更目新しさはない。ところがだ、水城の上手いところは簡単にヤラせないところにあった。そりゃそうだ。そんなに簡単にノンケの男がほいほい男にヤラせるはずはないではないか。もう引っ張る引っ張る。「男とセックスするのは怖いですか?」「…なら」「キスだけならどうですか」くううぅ。いいねえ。しかも、こんなことを言いながらその「キス」のいちいちエロいこと。いやはや参った。

 全編とにかくエロいのだ。言い寄られれば逃げるというのは王道だが、その駆け引きが胸がきゅうんとなるほどエロくていい。身体の関係だけでなく、お互いの感情のもつれ具合から何気ないカットの一つ一つまでエロさ全開である。普通のシーンのコマ割が平凡であるだけにここぞというときのカットが異常にテンションが高くて惹きつけられる。斜めに切ってあるコマだとか枠のないコマだとかで思う存分感情を出してくれているのが良い。チラリズムというか、モロ描いているわけではないのにすごいエロい。こういうコマって、不安定な印象や勢いがあって心理描写にはもってこいね。ここぞというときの大ゴマも効果的。身体全体を描いているシーンが少ないだけにその効果もバツグンである。

 最後はオトメな気分になってしまったわたしだが、こんなに読み応えにあるBL本は久しぶりだ。本当にいいものを読ませてもらった。ありがとう、水城せとな先生。んで、続編とかあるんすか、水城先生。

 ということで(ちっ、ついエロエロと熱く語っちまったぜ)、誰も読んでないと思うけど

 超オススメ!

 じゃあ、そういうことで。
FR/Living Dangerously - Kiyori Sato 
2007.04.19.Thu / 11:00 
 さて、FRのキヨリさんです。
 先日、ポニーテールでお目見えしたキヨリさんでしたが、今日もちょっと感じを変えてグッとお洒落に登場してもらいましょう。
 といっても、OFを大して持ってないので今までのを着回すということで失礼します。

 キヨリ「リヴィング・デンジャラシー」

 なんか腿のあたりがちょっとエッチな感じですいません。
 このキヨリさん、ずいぶん若いですよね。前髪を分けて後ろで縛って、残りの髪の毛をポニーテールにしてみました。

洋服: トップス momokoDOLL I wanna Be a boy /
     スカート FRニッポン・ミサキ 「アンチ・ソシアル・ガール」 /
     ネックレス バービー ドゥーニー アンド バーク (ピンクラベル) /
     ブーツ FRラグジュアリー・アクセサリ・セット「モデルズ・オウン」

▽Open more.
* テーマ:ドール - ジャンル:趣味・実用 *
『怪盗ヴォックスの挑戦状 マジカルストーンを探せ !Part2』 関田涙 講談社 
2007.04.19.Thu / 07:49 
怪盗ヴォックスの挑戦状 マジカルストーンを探せ !Part2 怪盗ヴォックスの挑戦状 マジカルストーンを探せ !Part2
関田 涙 (2007/04/14)
講談社
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  ★★★★★

 関田さんの児童書です。続きを楽しみにしていたマジカルストーンシリーズですが、意外と(?)早く出してくれて嬉しいです。日向と月乃の小学生の名コンビが活躍するシリーズです。人間の夢を作っているという7つのマジカルストーンを探していく話ですが、彼女たち登場人物がみんないい人たちで気持ちよく読めます。可愛いだけではなくてトリックがしっかりしていて、きちんとミステリーしてるのでとても面白いです。
 
 前回、怪盗ヴォックスに日向がうしろ回し蹴りを与えて〈月の石〉を取り戻してやれやれと一安心していたら、三つ目のマジカルストーン「水の石」を必ずいただくと、今度は怪盗ヴォックスからの挑戦状が。ヴォックスの犯行を阻止しようとクラスメイトの片本くんと一緒に三人は「サイクロプスの森」にある豪邸に出向いていきます。そこは片本くんのいとこの屋敷。七水という、とても綺麗な子がいたんだけど、この子、どうも意地悪で性格が悪そう。言うことにいちいちムカついたりと、なにかと前途多難の二人。だけど、私立探偵や警備員がいるところから犯行時刻ちょうどに石を盗み出すのは、さすがのヴォックスも不可能じゃないの? ところがなんと、みんなが見ている前から石が消えてしまう。一体どうやって盗んだのかしら???
 
 ますます面白くなってきました。7つの石がすべて集まるまで楽しみですね。さて今回のマジカルストーンですが、ちょっと意地悪な子が出てきたり、博多弁を使う探偵がいたり、もっと楽しかったのは某美少女名探偵が大学生になって出てくれたりと、いろいろと面白かったです。暗号やトリックは、おお、と思ったのですが、ヴォックスの変装はすぐ見破れますよね。これはご愛嬌、かな。いや、どう考えても一人しかいないです(笑)。一つだけわからないままなのがありましたね。これはシリーズの最後にわかるのでしょうか。


ななつのいし××どくろの
かいぶつがめざ×しと××かいを×くう

 
「七つの石、ドクロの怪物がメザシと貝を食う……ですか?」
 で、早く次を出してくださいね。 
▽Open more.
『テロル』 ヤスミナ・カドラ  早川書房 
2007.04.15.Sun / 11:33 
テロル テロル
ヤスミナ・カドラ (2007/03)
早川書房
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 読み終わってもあまりの衝撃になんと言っていいのか言葉がでない状態です。パレスチナ問題に関心がなく、どこかで自爆テロがあっても酷いことをするなあとは思っても、それだけのことでしかなかったわたしです。なぜ多くの善良な市民を道連れにして自爆していくのか。それこそ小さい子供から普通に日常生活を送っている大人までをも巻き込んで、というよりそれを狙ってテロを行う意味。それにどんな意味があるのか。現場のすさまじい惨状を知っているだろうに、敢えてそれを実行するテロリストに一体どんな思いがあるのか。
 
 主人公アーミン・ジャアファリは、イスラエルの都市テルアビフに住むエリート外科医。アラブ系遊牧民出身ということでイスラエルの人々から差別を受けているとはいえ、高級住宅街に住み、愛する妻シヘムとともに幸せな生活を送っていた。そんな彼が一夜にして何もかも失う事件が起きる。病院の近くで爆破テロがあり、死亡が19名。うち11人は小学生だった。標的にされたのは同級生の誕生日を祝っていたファーストフード店。泣き声と怒号が病院全体に響き渡っているなか、折れ曲がってずたずたになっている者やべろりと皮がめくれている者の切断手術をしてふらふらになって家に戻ってくると、夜中に警察に呼び出される。刑事は「テロの首謀者はあなたの妻だ」と。妻のシヘムは妊婦をよそおって腹に爆弾を巻き、自爆したというのだ。
 
 自身もテロに関与していたのではないかと疑いをかけられ、三日三晩拘束されぼろぼろの状態で自宅に帰ってきて思うのは、自分からすべてを奪った妻を恨むのではなく、なぜあの美しくて優しいシヘムがそんなことをしたのかということ。うまくイスラエルに帰化し、何不自由なく幸せに暮らしていたと思っていたのは錯覚だったのか。自分は彼女からのサインを見逃していたのではないのかと、逆に自分を責め、彼女をそこまでも駆り立てていったのは何だったのかと、真実を求めて危険なパレスチナ自地区に潜り込んでいく。そして我々は、同じ西側にいる主人公の目を通して、この地に存在する根深い社会問題を、彼と一緒になって考えていくことになる。
 
 結論を言えば、本書を読んでますます分からなくなったというのが正直な気持ちです。平和ボケした日本に生まれ育った自分がいかに無知だったか思い知らされても、パレスチナの人々の底知れぬ絶望感とか閉塞感とか虚無感とかは、やはりどんなに言葉をつくしてくれても理解できないということです。
 
 叙情的すぎず、淡々と語る静謐な文体がとにかく素晴らしい。訳者の巧さもあるが、これほど胸にしみこんでくる文章もそうそうないのではないでしょうか。いずれノーベル文学賞も獲るはずです。
 
 お薦めします。
『密室殺人ゲーム王手飛車取り』 歌野晶午 講談社 
2007.04.13.Fri / 23:55 
密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社ノベルス)密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社ノベルス)
(2007/01/12)
歌野 晶午

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  ★★★★☆

 どどどどどどうなっちゃうの~。

 面白かった。面白かった。だけどこれって、つづくの? つづくよね。だって、ぜんぜん終わってないじゃん。これで終わっちゃったらボク怒っちゃうお。

 これ、リアルで殺人をやっちゃって皆で謎解きをしようというトンデモ本。本格かなんだか知らないけど、登場人物のどいつもこいつもが電波系のキチ○イばかりで、ネタの披露ばっかしのようだし「けっ」と投げ出そうと思ったのだが、いやいや確かPNUさんの評価が“ゴールド”さんの評価が“ゴールド”だったことを思い出し、かろうじて踏みとどまったのだった。と、ところがこれ、めちゃくちゃ面白いじゃないの。よくもまあこれだけ派手に次から次にネタを出してくれるものだと感心していたのだけど、やっぱり歌野、これだけでは終わらなかった。いやにキャラが立ってるなと思っていたのだが、ものすごいネタを仕込んでくれていたのだった。ちゃんと物語しているし、いやはや参った。んで、一番のお気に入りはコロンボちゃんでちた。「正解」。すたたたたたー。

『片眼の猿 One‐eyed monkeys』 道尾秀介 新潮社 
2007.04.11.Wed / 10:06 
片眼の猿 One‐eyed monkeys 片眼の猿 One‐eyed monkeys
道尾 秀介 (2007/02/24)
新潮社
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  ★★★

 あ、な~んだ。そっちにいっちゃったのね。ちょっと変わった厭な話を書くけど、仕掛けが素晴らしくて衝撃的だし、気持ちよく騙してくれるので結構好きだった道尾秀介なんだけど、これはちょっと肩透かしというか、違うだろ、それ。軽めの文体でサクサク読めるのはいいとしても、ハードボイルドの体裁をとったのが間違いだとしか思えない。ハードボイルドにしたいのなら、それ相応の人物描写が必要だろ。なのに、それがまず出来ていない。もともと、道尾秀介は登場人物の人間的側面を描くというより、トリックのほうに力を入れているようだから、これは失敗だとしか思えない。この一人称の文体ではハードボイルド小説としてはダメダメだし、人物設定がトリックのための設定だとしか思えず、気持ちよく騙されない。トリックがわかっても、ふーん、とどうでもいい思いしかなくて、小説としては期待はずれだった。だけどやっぱり次作に期待。
『ソウルケイジ』 誉田哲也 光文社 
2007.04.11.Wed / 10:03 
ソウルケイジ ソウルケイジ
誉田 哲也 (2007/03/20)
光文社
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 『ストロベリーナイト』の続編。
 
 多摩川土手に乗り捨てられた軽自動車から血まみれ左手首が発見される。なぜ左手首だけが残っていたのか。調べていくうちに意外な事実が浮かび上がってくる。
 
 今回も主役は捜査一課十係の姫川玲子主任(29歳)。カンと閃きで事件を組み立てていく彼女だが、この若い警部補の会話がなんともユニークで楽しい。捜査会議の席では、いつも心の中でいい感じに突っ込みを入れながら、ホシをあげようとする情熱は人一倍だ。そんなことは当たり前か。反対に一切の予断は捜査の妨げだと、見たもの出たもの聞いたものしか信じないのが同係の日下主任。まったくタイプの違う二人が競っていくのだが、これがなんとも面白い。わだかまりがあるようで、心配したり気にするところは、やはり刑事の血がそうするのか。重苦しい場面があっても、姫川と菊田の恋模様があったりと軽妙な筆致で進んでいくのでとにかく楽しんで読める。
 
 ただ、ある一場面はどうしても読めなかった。可哀想で胸が掻きむしられてダメだった。
 
 シリーズ物として読み続けたい。
『グッド・オーメンズ』 ニール・ゲイマン テリー・プラチェット 角川書店 
2007.04.11.Wed / 10:01 
グッド・オーメンズ 上 (1) グッド・オーメンズ 上 (1)
ニール・ゲイマン、テリー・プラチェット 他 (2007/03)
角川書店
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グッド・オーメンズ 下 (3) グッド・オーメンズ 下 (3)
ニール・ゲイマン、テリー・プラチェット 他 (2007/03)
角川書店
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 奇想天外なドタバタ風ファンタジー小説といえばいいのか。
 
 ごめん。面白くなかった。つくづくファンタジーに向いてないのがわかった。なにを話しているのかやっているのかよくわからなかったのよ。
 
 ヨハネの黙示録に記されたハルマゲドンは実現されなくちゃ。というので、世界滅亡の日に合わせて赤ん坊が生まれて成長していくのだが、出だしのところでつまずく。まず赤ん坊が生まれたときに取り違え事件があって、ちゃんとした親のところで育たなかったもんだから、ひっちゃかめっちゃか。名前だって、可愛らしいアダムになってるし。お供にと送られてきた、牙むき出しの涎たらたらの地獄の番犬も、なんのことはない、小さな可愛らしいワンちゃんになっちゃって、猫にさえ負ける始末。まあ、このへんはニタリと楽しめるのだが。さて、いよいよ地球滅亡まであと数時間に迫ったとき、長年敵同士でやってきた悪魔のクロウリーと天使のアジラフェールだけど、ほらそこは腐れ縁というべきか、なぜか意気投合してしまって、せっかく今まで楽しんできたのに滅亡しちゃったらつまらん、とハルマゲドンを阻止しようと奮闘する。
 
 まあ映像で観ると楽しめるんだろうけど、いまいち訳が頭に染み込んでこないもんだから、それぞれが巧く動いてくれなかった。いちいち注釈を読まなかったのがマズかったのかもしれない。あとで読んでみると、これが結構楽しかったので。
 
 お若い方にオススメ。
『大きな熊が来る前に、おやすみ。』 島本理生 新潮社 
2007.04.11.Wed / 09:56 
大きな熊が来る前に、おやすみ。 大きな熊が来る前に、おやすみ。
島本 理生 (2007/03)
新潮社
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  ★★★★★

 作者と同世代の話。うーん、とにかく文章が巧い。そして面白い。島本のこの世代の心情の描き方は舌を巻くしかない。
 
 若い女性の心情を読むのは、過ぎ去った日の懐かしいあれこれを思い出させてくれるので読んでいて掛け値なしに楽しい。たとえそれが共感できなかったり、歯がゆくてイライラすることはあっても。
 
 「大きな熊が来る前に、おやすみ。」は、知り合ってすぐに同棲を始めたカップルの話。父親の暴力に怯えて育った主人公が選んだ男は、なぜか亡き父親と同じように暴力を振るう男だった。お互いの存在がトラウマを刺激するのに離れられない二人。そんな恋人との関係を父親とダブらせながら描いていく。この屈折した気持ちがなんともぞわぞわと心を揺さぶられて、ついつい自分に置き換えて考え込んでしまう。まだ半年しかたってないのに、それでほんとに楽しいの? と思わず問いかけたくなるような日常。暴力を振われたりと、けっして手放しで幸せといえないのにどうして別れないのだろうかと。過去の父親の振る舞いに対する恐怖を乗り越えようとする主人公。ほんとに好きなの、という自問自答する危うさと、だけどちょっとした幸せが微妙なバランスで成り立っている話。澄んだ文体と繊細な空気の流れが感じられる秀作。
 この作品で芥川賞を落選とは……。
 
 「クロコダイルの午睡」は、どこまでもすれ違う二人の遣り取りが面白い。一見、ほのぼのとした関係でありながら、やっぱりね、という毒が盛り込まれているのがお見事。とことん嫌な男を描くのは、ほんとに巧い。
 
 「猫と君のとなり」 は、緩やかな幸せを描いた話。ちゃんとハッピーエンドで終わっていたので驚いてしまったのだが、途中の不安定な気持ちの揺れ具合がなんともいえない。
 
 お薦め。
『桜川ピクニック』 川端裕人 文藝春秋 
2007.04.06.Fri / 10:13 
桜川ピクニック 桜川ピクニック
川端 裕人 (2007/03)
文藝春秋
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 パパの育児小説といえばいいのか。子育ては大昔に終わってしまったので、今更ふにゃふにゃした赤ん坊の話や、二、三歳児の悪ガキの話を読んでもピンとこない。なので、いまひとつ乗れなかった。悩めるパパの話なんかどうでもよくて、それより働くママが子育てを亭主に任せてしまっていることについてどう思っているのかを知りたかった。弁護士のママの話ももう少し突っ込んで読みたかったな。それから働くママは、初めからミルクで育てることになんら葛藤はないのだろうか。三ヶ月で断乳するのは辛いよね。
 
 どれも普通に可愛い話だった。
『J 』 五條瑛 徳間書店 
2007.04.06.Fri / 10:12 
J J
五條 瑛 (2007/03)
徳間書店
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 面白んだけど、こう毎月、五條さんの新刊が出ると、同じ味付けの小説を読んでいるようで新鮮さが足りなくなってくるよね。テロが日常化した近未来の東京の話。女主人公のJ(ジェイ)のカッコ良さがいまいち伝わってこなかったのは、そのせいだろうか。テロリストであり誘惑者という設定は面白いのだが、設定だけで実際に活躍する場面がなかったというのがなあ。実行部隊をスカウトするけど、自分では手を汚さない、っていうやつ。うーん、それもなんか中途半端なような。それなのに誰も彼もが彼女を崇拝して追いかけるというのがなんとも。で、結局、一番心にずきっときたのは、キックボクサーの久野の不屈の精神と、彼を追いかける秋生の成長かな。
『年に一度、の二人』 永井するみ 講談社 
2007.04.06.Fri / 10:10 
年に一度、の二人 年に一度、の二人
永井 するみ (2007/03/07)
講談社
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 香港の競馬場で秘密の逢瀬を重ねる主婦。その同じ場所で、一年後の約束に思いを募らせるOL。「僕は待ってます。来年の同じ日に、同じ場所で」という男達。どんなに魅惑的な話だろうと期待していたのだが、まったく外れだった。ただの事実の羅列にすぎなかった。不倫が悪いと言ってるのではない。なんとも掴みどころのないふわふわした話であり、どこにもドキドキする要素はまったくなかった。つまらん。永井さんということでかなり期待したのがマズかったのかもしれない。
『ママの友達』 新津きよみ 光文社 
2007.04.06.Fri / 10:08 
ママの友達 ママの友達
新津 きよみ (2007/03/20)
光文社
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 ある日、専業主婦の典子のもとへ30年ぶりに中学時代の交換日記が届く。4人で回していた日記だが、差出人はどうやらリーダー格のハセジュンこと長谷川淳子らしい。しかしテレビのニュースでは、淳子は他殺体で見つかったとのこと。一週間も前に殺された者が日記を送れるはずがない。典子は気にはなりながら、しかし、登校拒否をしている14歳の娘との関係がぎくしゃくしていて、こんな日記どころではなかった。
 
 主婦、シングルマザー、おばあちゃん、そして殺人の被害者となったかつての仲良しメンバーが、日記を間に当時と現在についてそれぞれ胸のうちを語ってゆく。ステレオタイプの者は一人もいないので、読んでいて、とにかく面白い。45歳でシングルマザーだったり、孫がいたりするのはそれほど珍しくはないかもしれないが、45歳のおばさんが赤ん坊を抱えてひぃひぃしながらも頑張っている姿とか、あるいはモラハラの話になるとグッときてしまう。PTAの話もあったり、また娘との悩みを担任に相談したりするところは現実的でついつい読むのに熱が入ってしまった。
 
 登校拒否の娘が言う。「ママって友達いるの?」「下の名前は?」「苗字じゃなくて、ファーストネーム」
 「友達っていうのかな、それ」
 
 30年ぶりの交換日記が友達を連れてきてくれた。そんな話。ラストがとにかく素晴らしい。
キヨリ「リヴィング・デンジャラシー」きたー! 
2007.04.04.Wed / 17:54 
毎日いらしてくださってるのに随分更新してなくてすみませんでした。ベチちゃんとかキヨリ・ヴァイスの写真も撮りだめしているのですが、なにせ、ずっとぎっくり腰で書ける状態ではなかったので。今もそうですが。
ええと、Fashion Royalty2007年ファーストライン、ベーシックドールのキヨリです。Living Dangerously(リヴィング・デンジャラシー)といいます。
はてなにエントリーしましたので写真だけ載せておきますね。


キヨリ「リヴィング・デンジャラシー」キヨリ「リヴィング・デンジャラシー」キヨリ「リヴィング・デンジャラシー」


キヨリ「リヴィング・デンジャラシー」キヨリ「リヴィング・デンジャラシー」キヨリ「リヴィング・デンジャラシー」

キヨリ「リヴィング・デンジャラシー」キヨリ「リヴィング・デンジャラシー」

『背の眼』 道尾秀介 幻冬舎 
2007.04.02.Mon / 11:19 
背の眼

背の眼
道尾秀介

幻冬舎 2005-01

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  ★★★★☆

 第5回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。らしいです。

 やや、これは面白かった。

 ホラサス出なのでホラーだと思ったのですが、がっつり本格ミステリでした。

 これをホラーとして読むと、なんじゃこりゃとなるのでご注意をば。ちっとも怖くないので。で、京極夏彦とどうのこうの皆さん仰っていましたが、ノープロブレムでした。登場人物の設定はもろだし、薀蓄はあったし、「へ!?」と思うシーンもあったし、おまけに冗長なところもあって、ありゃりゃ、と思わないわけではなかったですが、京極よりこの方ほうが若さがあって好きです。

 怪奇を超常現象だとして逃げないで、ロジックをもって伏線をきちんと収斂させていったのは見事でした。ま、でも最後のぐちゃぐちゃと説明していたところは……流しました。

 そういえば、このとき大賞を授賞したのは沼田まほかるの『九月が永遠に続けば』でしたね。これが滅法面白くて、他の作品を読もうとは思わなかったのが失敗でした。巻末の選評を読んだら綾辻行人が「『背の眼』は、沼田作品に比べると若書きゆえの拙さが目立つ。(中略)出版までに可能な限りの贅肉を削って枚数を減らす努力をすることを条件に、特別賞の授賞が決まった。」とあったので、ますます読む気をなくしてしまったというのもあります。で、スルーした作品は後ではほとんど読まないのですが、最近、道尾秀介は変に面白いので読破しようと思ってます。
『冥王星パーティ』 平山瑞穂 新潮社 
2007.04.02.Mon / 10:17 
冥王星パーティ 冥王星パーティ
平山 瑞穂 (2007/03)
新潮社
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  ★★★★★

 面白かった。面白かった。面白かった。そして、じんとくる男と女の話だった。
 
 美人だし、頭だって悪くないのに、男の趣味がダメダメな都築祥子と、文学オタクで絶対女にもてないと思い込んでいる鈍くさい男の桜川衛。こんな二人のちょっと変わった青春小説と言えばいいのか、どこまでも迷走していく姿が、笑っちゃうほど楽しい。
 
 第一章。思い込みが激しくて気の短い女の子と、妄想癖があって挙動が怪しいヤツの話。しかもそれが高校生の時となれば、ふとした拍子にすれ違ってしまうのもしょうがないのか。ああ、やっぱりそうくるか、とやきもきしながら読んでいくのだが、そりゃこんなヘンテコな二人だし、まっとうな恋愛になるはずがないと思うものの、とことん応援したくなってしまうのもしょうがない。
 
 第二章と第三章。祥子の大学時代のサークルの話と、桜川が証券会社で女の子と遊ぶ話が、それぞれの視点で語られる。若気の至りと片付けてしまうのは簡単だが、同じ過ちを繰り返してしまうのは傍で見ててももどかしくて、ああ、そんなことはダメだよ、って老婆心ながら言わずにはいられない。だけど、失敗しても失敗しても、人はへこたれないで先に進んでいくことができるんだってこと。そういうのはやっぱりいいね。変わった奴がたくさん出てきて楽しかったが、その中でも、とにかく祥子が素晴らしかった。祥子の大学の先輩、望月の強烈さも好きだったなあ。
 
 ぎっくり腰で安静にしとかなくちゃいけないのに、そんなことなんか忘れ去ってしまうくらい、読むのが止められなかった。終わりのほうに近づくにつれて、どれだけ悲しかったか。読んでる最中、ほんとに楽しかったなあ。もっともっと読みたいと思う本でした。「冥王星パーティ」というタイトルも装丁も素晴らしかった。
 
 お薦め。
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プロフィール

でこぽん

Author:でこぽん
 ようこそいらっしゃいました。
でこぽんです。

 このブログは「でこぽんの読書日記」のミラーサイトになります。感想文の保管庫ですね。読書通信となっていますがdollのほうがメインになるかと。なるべく多くの写真を載せていきたいと思います。画像をクリックしていただくと元の大きなサイズになります。
 それではどうぞよろしくお願いします。

 高速画像表示にするため、「広告あり」に設定しました。ちょっと邪魔ですがよろしくお願いします。2011/12/21

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 感想でいらした方は、カテゴリの[国内海外]の感想をクリックしていただくと日付順に表示されますので見やすいかと思います。
 でも最近は感想文は書いてないです。すみません。

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 カテゴリのところをちょっといじりました。
 ドールはmomoko、Misaki、Barbie、FRと分けて、それぞれの全記事が表示できるようにしました。少しは使い勝手がよくなったと思うのですが、どうでしょうか。2008/7/23

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 何かありましたらこちらまで。
 メールアドレス
yokonetjp*yahoo.co.jp(*を@に変えてください。)

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 薔薇の黒背景は画像が綺麗に見えるので私も好きでしたが、やはりエントリ別に見るときは使い勝手が良くないようです。CSSを弄れるといいのですが、このレベルになるとさすがに勉強しないと無理なのでやめました。ずいぶん粘ってみたんですけどね。なので元に戻しました。またそのうち黒背景にすると思います。2008/09/24
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 そうそう。コメントは「OPEN▼」でも読めます。いちいち戻らなくてもいいので便利かもしれません。

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