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『永遠のとなり』 白石一文 文藝春秋 
2007.06.28.Thu / 14:03 
永遠のとなり永遠のとなり
(2007/06)
白石 一文

商品詳細を見る

 「なあ、精一郎。生きているというのは何だ」と自身に対して問いかけてみる。そうやって胸の中で呟いてみても、すぐには答えがでるわけではない。

 主人公は著者と同じ1958年生まれの48歳。早稲田の政経をでて損保会社に勤めていたが、可愛がっていた部下が自殺したことで、自分もうつ病を発症してしまう。会社も早期退職して妻子とも別れ、郷里の福岡で療養をしている。そんなところへ一人息子から、大学を卒業したら専門学校に入りたいので入学金を支払ってくれという一方的な手紙をもらう。失業して療養中で先の当てがなくても、仕方がないなあと思ってこんな突飛な申し出にも応じてしまう主人公なのである。

 こんな主人公と一緒になって考えてくれるのが、肺癌を発病してやはり福岡に戻っていた幼馴染みの“あっちゃん”だ。一橋の経済をでて都銀に入行するも母親の死で辞め、コンサルタント事務所を経営しても発病したため閉鎖。離婚して郷里に帰って、一見ふらふらと気ままに暮らしているような男である。

 人は生まれて、生きて、死んでいく。当たり前のことだ。そんなことは誰でも知っているが、やはり考えずにはいられない。発病し、会社も辞めてたった一人になり、わずかな蓄えから息子とはいえ130万円もむしり取られ、これから先のことを考えると心細くてたまらない。いままでの人生とは何だったのか。一体どこでどう間違ってこんな羽目に陥ってしまったのか、と。

 病気のこと、仕事のこと、日々の生活のこと、女性との関係、こんなことをこの本は淡々と語っていく。決して急がずに。そうして終わりのほうであっちゃんは言う。「人間は誰だって、自分が幸せになるだけで精一杯なんよ」と。

 二人の博多弁がなんとも心地よい。しみじみとした味わいと温かさがあって、ついつい泣いてしまう。しんみりと我が身を振り返ってみてしまうのであった。

 お薦め。
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COMMENT TO THIS ENTRY
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はじめまして。
こちらの記事にトラバさせていただきました。
男同士の友情を軸に、
生きていくことのやるせなさ、切なさを描いていましたね。
博多弁の味わいと温かさがよかったです。
コメントやトラバ返しなどいただけたらうれしいです。
お気軽にどうぞ。

- from 藍色 -

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藍色さん
はじめまして。こんにちは。
トラバありがとうございました。
久しぶりにいただきました。本当にうれしいです。
生きることに対して考えさせられる作品でした。博多弁はよかったですね。
藍色さんはいろいろとたくさん読まれているので参考になりました。
これからよろしくお願いします。

- from でこぽん -

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写真は加藤アラタ。装幀は大久保明子。書き下ろし。主人公で語り手の青野精一郎は勤め先の損保会社の合併、部下の自殺をきっかけに自身もうつ病に。退社して妻子とも別れ故郷の博多に帰省。再会した小学校以来の親友の津田敦は
2007.07.13.Fri .No5 / 粋な提案 / PAGE TOP△
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 薔薇の黒背景は画像が綺麗に見えるので私も好きでしたが、やはりエントリ別に見るときは使い勝手が良くないようです。CSSを弄れるといいのですが、このレベルになるとさすがに勉強しないと無理なのでやめました。ずいぶん粘ってみたんですけどね。なので元に戻しました。またそのうち黒背景にすると思います。2008/09/24
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