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![]() | 終末のフール (2006/03) 伊坂 幸太郎 商品詳細を見る |
★★★★★
もう大好き。理屈じゃなく好き。
隕石の衝突で地球のタイムリミットが近づいてきている。そんな中でのいろんな年代の人たちの物語。「生き方」というテーマにも考えさせられたけど、なにより普通の人たちの淡々とした語りに熱くなってしまった。
もともと私は伊坂幸太郎に思い入れはない。どちらかと言えば苦手な部類に入る作家です。インタビューなんかを読むと、とても好感がもてるし、コラムなどは大好きだ。だけどこれが小説となると、とたんに居心地が悪くなってしまうのです。変に構えた作りすぎた文章に、ついには嫌悪感さえ抱いてしまうのです。
ところが、この『終末のフール』はそういうところが全くなく、リズムに凝ったり、特殊な言い回しをするところがなかった。あくまで自然体だし普通の文体であったため、とても心地よく読めたのでした。それにやっぱり伊坂独特の遊びがあってとても楽しい。ちょっとずつリンクしている物語はそれだけで短篇連作集として奥行きがでて、にやりとしてしまう。
ここからは全くのファンレターになってしまうのだが、この作品を読めて本当に良かった。読んでる最中こんなに幸せな気分になったのは久しい。ほのぼのとしたり、ああ、いいなあと胸が熱くなったり。嬉しくて嬉しくて泣いちゃったり。それはもう幸せな読書でした。
各年代の多くの方にお薦めいたします。
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こちらが『終末のフール』の特集サイトです。
http://www.shueisha.co.jp/hillstown/
# pnu 『これは大好きです!それぞれの登場人物が、あるマンションを舞台に
つながっていくところが面白く、はまりました。
世界の終わりにも、自分らしく生きていく彼らが素敵でした。』
# でこぽん 『ああ、PNUさん、こちらまでお越しいただいてありがとうございます。
PNUさんも大好きだと仰ってくださって、本当に嬉しいです。
面白かったですよね。
そうそう。あるマンションが舞台になっていましたね。登場人物がお隣さんだったり上の階だったり下の階だったり。ご近所さんのお話って、ほんとにそれだけでほのぼのとしてきますね。楽しかったです。
私も彼らの人生観が愛おしくしみじみとしてしまいました。素敵でしたね。』
# naoko_1999 『うふふん。読み終わったので特集ページに行って、遊んできました♪ちょっとしたゲーム(?)があって創作秘話が読めるんですね。でこぽんさんが伊坂さんの小説が苦手だったなんて意外!それにしても素敵な物語でした♪「幸せな読書」に深く納得です!!』
# でこぽん 『七生子さん、こんばんは。
倒れたように眠っていました。そのあと、「バービーのすてきなおうち」で遊んでいました。あんなに素晴らしかったと騒いでいたのにレスが遅くなってすいません(^^;;;
TB&コメントありがとうございます。
七生子さんの感想を拝見しました。
おお、熱く語っていますね。本当に素敵な物語でしたね。やっぱり泣いちゃいましたか。こんなに好きな小説に出会えてほんとに嬉しいですね。
そうなんですね。伊坂氏の小説は大好きなのとちょっと苦手なのと二分してまして…。でもこれからはとことんついていきますよ。ラブです。
直木賞受賞ですが、これは間違いないでしょう。もしこれでとれなかったら、暴れます。
ところで、特集ページには私も行って遊びましたが、ひとつだけ判らなくて創作秘話が読めてないのです(泣)。』
# naoko_1999 『> ひとつだけ判らなくて創作秘話が読めてないのです(泣)。
どこかしら?あ、そうそう、飛んでる白い鳥をクリック!がありましたよ。私は最後まで、これが判らなかったんですけど。』
# でこぽん 『七生子さん、TBありがとうございました。
創作秘話ですが、白い鳥はわかったのです。「演劇のオール」が読めていません。櫓のあるマップのところが一つしかわからなかったから、たぶんそこのところでしょう。』
# naoko_1999 『>「演劇のオール」 サッカー場に一番近い、黄色い木の陰に隠れてます。全部判って、もう読めました?』
# でこぽん 『あああ、ありがとうございますぅ。七生子さま。
やっと読めました。感激ですぅ。
なんか一番面白かったです。担当編集者が「うわ言のように言っていました」とか「取り憑かれたような雰囲気でした」とか。くっくっく。
やっぱり伊坂さんは面白いです。』
# mamimix 『舞台設定は割と悲惨で,ギリギリな感じもあるんですけど読後感はいいんですよね。すごいな~と思いました。好きな話なんですが手元に置いておくか図書館に寄贈するか悩んでます。いつもお世話になってるし…。特集サイトまだ行ってないんです。ここでのでこぽんさんと七生子さんのやり取り見て無性に見たくなりました。これから見てきます!!』
# でこぽん 『これは本当に素晴らしかったですね。やはりここは手元に置いておくべきでしょう。何度も読み返したと思っています。
特集サイトの創作秘話は面白かったですよ。ぜひ遊びに行かれてくださいね。』
# snowkids99 『でこぽんさま、残念ながら、ぼくこの作品、ちょっとダメでした。
「砂漠に雪を降らせてやる」という人物がいてこそ、いまの伊坂だと思ってしまうもので・・。』
# でこぽん 『書評を二度読ませてもらいました。
なるほどと思いましたが、やはりわたしはこの作品が大好きです。
長編だったら良かったとおっしゃっていますが、それはこの作品は部分的にはマズいんだけど全体的にはまあまあだったということでしょうか。』
# snowkids99 『この作品に違和感を憶えたのは、これが伊坂の作品だからということでなく、伊坂の「魔王」「砂漠」という強い希望と居直りを持った作品を読んだ後だからというのが、大きな要因だと思います。このふたつの作品を読んでなければ、個人的な評価はもっと高かったのだと思います。長編だったらは、たぶん、韻を踏んだタイトル以上に、短編連作のかたちをとる意味が見いだせなかったからでしょう。一冊の長編、各章のサブタイトルでもよく、また、そうして、最後にまとめてほしかったというところでしょうか。本当に「悪くはない」んです、この作品。でも、評価できない・・ジレンマ。』
# でこぽん 『う~ん。すみません。難しすぎて、すのさんのおっしゃりたいことがよくわかりません。本当にごめんなさい。とにかくあまり好きではなかったということですね。
伊坂さんの『終末のフール』のインタビューがありましたのでご紹介しておきます。
http://www.s-woman.net/isaka-koutarou/1.html
いい話でした。これをお読みになったら、また違った感想がでてくるかもしれませんね。』
# snowkids99 『 『すみません、伝える技術(文章力)が不足しているようで・・。ただ、決してこの作品を否定するつもりではありません。たぶん、いまのぼくは「希望」と「居直り」の作品を望んでいて、そこにズレがあるのだと思います。この作品が好きでないのではないのですが、好きだと大きな声で言えない・・という感じでしょうか。
この穏やかな余韻を楽しむのは、やはり秋から冬にかけてのおだやかな季節でしょうか(?)。
さっそく伊坂氏のインタビュー読ませてもらいました。わかる、わかるという感じです。だから、判る(理解はできる)のですが・・。そういうことって、ありますよね。』』
# でこぽん 『こちらこそいろいろと要求してしまったようで、すみません。「希望」はわかりますが、「居直り」というのを小説の中で表すのはなかなか難しいですね。穏やかな季節の今ではなくて、秋から冬にかけての穏やかさなのですね。ではそのときに余韻を愉しんでもらいましょう。
インタビューは楽しかったですね。読み終わったあとに、こういう話が聞けるのは本当に楽しいです。』
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• [ゴールド]伊坂幸太郎「終末のフール」
• http://d.hatena.ne.jp/naoko_1999/20060327
• 伊坂幸太郎『終末のフール』
• [伊坂幸太郎]終末のフール
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