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『晩餐は「檻」のなかで』 関田涙 原書房 
2007.02.26.Mon / 02:30 
晩餐は「檻」のなかで (ミステリー・リーグ)晩餐は「檻」のなかで (ミステリー・リーグ)
(2007/02)
関田 涙

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  ★★★★★

 うひゃー!面白かった。面白かった。もう滅茶苦茶面白かったよお。
 
 社会派ハードボイルド作家・錫井(すずい)イサミ。「デビューはしたものの、鳴かず飛ばずで、読者からも文壇からも忘れられつつある(というか、そもそも全く知られていない)作家」の日常生活のパートと、その彼がリアルタイムで書いていく本格ミステリーの作中作のパートが交互に語られる。
 
 とにかく本格ミステリということで、どんなことをしても謎を暴いてやる、という意気込みも満々で読み出す。今まで、関田さんの本格ミステリ作品で真犯人が判らなかったことはないと豪語するものの、敵(?)も然る者で一筋縄ではいかない作品を書いてくるから、油断は禁物。しかし、この作中作、滅多やたらと小難しくできている。文章が端正だからなおさら難しく感じるのか、「カメ」「イヌ」「サル」「クマ」「ヘビ」「ヤギ」「トラ」というコードネームを持った7人の男女が喧々諤々、誰が殺人犯の「トラ」なのかを推理していく様子を読んでいくのは正直、厄介だった。
 
 だからか、一方の、作家の錫井のパートは砕けすぎるぐらい砕けた文体で、たまらんぐらい面白かった。文学論をぶってみたり、ネットで書かれたことを話してみたり、挙句の果てに、挿○(自主規制)まで出てくる始末。ここまで開き直ってくれると、いっそ清々しいものがある。とくに関田さんと掲示板で話したことを思い出したりするものだから、錫井と関田さんが被ってしまって、恐ろしいことに同化してしまいそうになった。そうじゃないと打ち消すのにどんだけ苦労したか。始終にやついてしまって危ない人のようになっていたよ。いやほんとに。何度吹いたかわからない。いやあ、こんなにおいしい展開になっているとは思ってもみなかった。ありがとう関田さん。
 
 ところで作中作のほうだが、「檻」のなかでやる「仇討ちゲーム」の真相は早々に諦めた。ただ探偵役の「サル」が誰だかは見当がついていたのだが。まあ、他のことは伏線があったのかどうかさえ怪しくなり、勘でしか答えられないというのでは、これはもうリタイアするしかない。しかし、一番肝心な作品の肝は見破っていた。と、そっくり返って高笑いしていたんだよ。
 
 そ、それが……。
 うぎゃー!そうきたか。むむむ。

 はい、予想の遥か上をいった結末でございました。そして確かに、朝日のように爽やかな清々しいラストでございました。はい。
 
 超おすすめ。

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 こちらは「でこぽんの読書日記」からの転載です。

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kindaiti343
2007/02/26 22:08
でこぽんさん高評価ですね~。
なかなかよさそうな雰囲気まんまんですね。早く読みたいです。そしてサプライズにすっきりだまされたいなあと思います。


sekitanamida
2007/02/26 23:12
今回のでこぽんさんは思う壷に嵌まってくれたかも。
悔しいでしょ。けけけけ。


でこぽん
2007/02/27 00:01
>kindaitiさん
これ、ほんとに面白いです。とくに本格の部分で悶えるんじゃないでしょうか。バリッバリに警戒していたのにこのザマです。今回はいいように関田さんにやられましたよ。Kindaitiさんも早く読めるといいですね。

>関田さん
ううう。悔しい、悔しい、悔しい。
これほど完敗するとは思わなかったです。世界がぐらりと変わってしまいましたよ。いやあ、今度という今度は本当に参りました。
というか、ええっと、やっぱり錫井のモデルは著者本人なんでしょ。
ですよね。人間、そうそう猫を被ってばかりじゃ疲れますものね。くくく。


kindaiti343
2007/03/09 15:16
自分もだまされてしまいましたよ。
いろいろ気をつけていましたが、普通にあっさりと・・・。


でこぽん
2007/03/09 22:50
kindaitiさん
おお、読まれましたか。すごくいい評価ですね。
そうそう、あっさりとね。騙されないように気をつけていたのに気持ちよく騙されちゃいましたね。ほんとに面白かったです。

*******************:

 あとこちらの「でこぽんの読書日記」も読んでいただけるとうれしいです。
 関田涙さんがきてくださっています。
 
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